ナズーリンが黒い気をまとった事件から翌日。
今日も幻想郷へ向かおうと思うのだが…。
「神無、遊ぼう!」
茶の間へ入る寸前、袖を引っ張られてしまった。
「あ、橙…ご、ごめんな…今日はちょっと」
次に、かわいらしく頬を膨らませる。
「約束したでしょぉ!遊ぶって!ねぇ、いいでしょ~」
「いいでしょ~」のあたりから袖を横にぶんぶん振って、耳もピコピコ動かして、尻尾も左右にゆっくり揺れている。
そうだった。橙とはいっぱい遊ぶ予定だった…!
「確かに、約束したな、遊びますかぁ~」
これは仕方ない、俺は昨日、快く受け取ってしまったわけだし。
「やったぁ~!!じゃあ、他の猫ちゃん達も連れてきて、外であそぼっ!」
その猫ちゃん…とっても数が多いんだよね…。
以前、橙が紹介してくれた猫ちゃん達の名前は覚え切れなかった。
その日は全身猫まみれで帰ってきたのを覚えている。
「はぃはぃ」
茶の間とは、反対の方向へ歩きだす。
その日は、大量の猫ちゃん達と遊ぶだけで疲れてしまった。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
翌日。
紫に、「幻想郷へ行きたい」と、頼もうと思って茶の間へ行こうとする。
…が、肩を強く掴まれてしまった。
紫は茶の間にいるし、俺の肩を平気で掴んでくる相手なんて一人しかいないよね…。
「神無、よかったら…料理を教えてくれない?」
後ろを振り向くと、予想通り藍が立っていた。
でも、藍がこんな風に俺を止めるなんて驚きだ。
「りょ、料理…?」
八雲家と初めて出会った時に出してもらった、藍の料理が浮かぶ。
「なんで、料理?藍、料理うまいじゃないか」
あの時、絶妙な焼き加減の魚やその他のおかずを口の中で思い出す。
「…恥ずかしながら…魚は干物で焼いただけ、後は冷凍食品に手を加えただけなんだよ…」
残念な顔で残念なことを呟く。
「そ、そうなんだ…」
それは、あんまり聞きたくなかったような…。
あの時、手料理で感動していた俺って…。
つい床でorzポーズを取ってしまうところであった。
「だから!!私に、料理を教えてくれないだろうか!!」
すぐ目の前にある藍の顔はいつになく真剣だ。
こうなってしまったら、断りようもない…。
「わ、わかった、じゃあ、今から…えーと、冷蔵庫にあったもので言えば、肉じゃがかなぁ」
「肉じゃがか!!家庭の味だ!良いな!!早速作ろう!」
テンション高く喜んで。
強く俺を引っ張って、台所へ立った。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
「…藍、うまいじゃないか」
レシピを教えながら料理の手伝いして、完成した肉じゃがを味見してでた、率直な感想だった。
やっぱり、料理しているってだけで、料理に関して無知だとしても、包丁の扱いとかはうまくなるもんだ。
要領のいい藍も藍ですごい。
じゃがいもの皮むきや、肉を一口大に切るのも丁度良い多きさであり、とても慣れている気がした。
「そ、そうかな…?」
ちょっと照れながらそう言う藍。
「オリジナルな料理とか、作れるんじゃないか…俺に教わらなくてもいけると思うぞ」
独学で料理を覚えてきた俺はそう言って頷く
「い、いやっ!私はまだ未熟ものだよ…。だから、これからも教えてくれないかな…」
「料理本とか買ってくればいいじゃないか?紫に頼んでさ」
人から教えてもらったほうがわかりやすいし、その場で質問もできるから覚えも早いって言うけど。
本から知識を得ることも一つの手段だ。
「そ、そんなことしたら…神無としゃべる機会がなくなってしまうじゃないか…」
もじもじと小さな声で藍が何かを言ったのだが、聞き取れなかった。
「う、うん…別にいいけどさ」
今回は夕食だけ教えたけど…。
朝昼夜と三つも料理を教えて!とか言いそうで、疲れがドッと背中にのしかかった。
なかなか料理を教えるのって疲れるかもしれない。
そのためか、卓袱台に伏せていると、そのまま寝てしまった。
「神無、ありがとうね…」
おぼろに覚えている藍の声は、そういうものだった。
気がつくと俺は布団に眠っていて、藍の肉じゃがを食べられなかったことにショックを受けた。
――――――――――――――――――――――――――――――――――
翌日、今日は、博麗霊夢…とかいったかな、その人のところで、宴会が行われるらしく、八雲三人はそれに参加する。
「紫…今日も俺は、幻想郷にいけないの…」
二日連続で不幸にあった気がする。
二人にとっては良いことかもしれないけど。
まぁ、幻想郷に行っていた時のツケがドッときたのかもしれない。
「ふふっ、二人の相手をどうも」
「あはは…」
紫はきっちり見ていたようだ。
抜けているように見えて、そういうところはしっかりしているんだよね。
「留守番を頼もうと思ったんだけど、まぁ…飛ばしてあげるわ」
「あ、ありがとう!」
紫は、俺の近くに切れ目を作った。
「えーと、どこへ飛ばせばいいのかしら」
「紅魔館の近くに飛ばしてくれないか」
なんだかんだいって、紅魔館の中へは入れなかったのだ。
美鈴は空けていると行っていたから帰ってるかどうかもわからないけど。
帰ってきているという確立に掛けてみようと思う。
紫は不信の目を俺に向けた。
「んっ…また紅魔館へ行きたいの?」
うーんと紫は手を顎にあてて、考えている。
「なーんか、神無が「紅魔館へ行きたい」といわれると引っかかるのよね・・・」
「…どういうこと?」
「ううん、確証のないことは気安く言えないわ、後で調べておこっかな・・・それじゃ、飛ばすわよ」
「あぁ、わかった」
まだ疑問に残ることがたびたびあるが、それは紫に任せておくことにしよう。
「いってらっしゃい」「いってらしゃっーい」
「いってきまーす」
隙間が現れて、俺は闇へ飲み込まれた。
今日も幻想郷へ向かおうと思うのだが…。
「神無、遊ぼう!」
茶の間へ入る寸前、袖を引っ張られてしまった。
「あ、橙…ご、ごめんな…今日はちょっと」
次に、かわいらしく頬を膨らませる。
「約束したでしょぉ!遊ぶって!ねぇ、いいでしょ~」
「いいでしょ~」のあたりから袖を横にぶんぶん振って、耳もピコピコ動かして、尻尾も左右にゆっくり揺れている。
そうだった。橙とはいっぱい遊ぶ予定だった…!
「確かに、約束したな、遊びますかぁ~」
これは仕方ない、俺は昨日、快く受け取ってしまったわけだし。
「やったぁ~!!じゃあ、他の猫ちゃん達も連れてきて、外であそぼっ!」
その猫ちゃん…とっても数が多いんだよね…。
以前、橙が紹介してくれた猫ちゃん達の名前は覚え切れなかった。
その日は全身猫まみれで帰ってきたのを覚えている。
「はぃはぃ」
茶の間とは、反対の方向へ歩きだす。
その日は、大量の猫ちゃん達と遊ぶだけで疲れてしまった。
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翌日。
紫に、「幻想郷へ行きたい」と、頼もうと思って茶の間へ行こうとする。
…が、肩を強く掴まれてしまった。
紫は茶の間にいるし、俺の肩を平気で掴んでくる相手なんて一人しかいないよね…。
「神無、よかったら…料理を教えてくれない?」
後ろを振り向くと、予想通り藍が立っていた。
でも、藍がこんな風に俺を止めるなんて驚きだ。
「りょ、料理…?」
八雲家と初めて出会った時に出してもらった、藍の料理が浮かぶ。
「なんで、料理?藍、料理うまいじゃないか」
あの時、絶妙な焼き加減の魚やその他のおかずを口の中で思い出す。
「…恥ずかしながら…魚は干物で焼いただけ、後は冷凍食品に手を加えただけなんだよ…」
残念な顔で残念なことを呟く。
「そ、そうなんだ…」
それは、あんまり聞きたくなかったような…。
あの時、手料理で感動していた俺って…。
つい床でorzポーズを取ってしまうところであった。
「だから!!私に、料理を教えてくれないだろうか!!」
すぐ目の前にある藍の顔はいつになく真剣だ。
こうなってしまったら、断りようもない…。
「わ、わかった、じゃあ、今から…えーと、冷蔵庫にあったもので言えば、肉じゃがかなぁ」
「肉じゃがか!!家庭の味だ!良いな!!早速作ろう!」
テンション高く喜んで。
強く俺を引っ張って、台所へ立った。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
「…藍、うまいじゃないか」
レシピを教えながら料理の手伝いして、完成した肉じゃがを味見してでた、率直な感想だった。
やっぱり、料理しているってだけで、料理に関して無知だとしても、包丁の扱いとかはうまくなるもんだ。
要領のいい藍も藍ですごい。
じゃがいもの皮むきや、肉を一口大に切るのも丁度良い多きさであり、とても慣れている気がした。
「そ、そうかな…?」
ちょっと照れながらそう言う藍。
「オリジナルな料理とか、作れるんじゃないか…俺に教わらなくてもいけると思うぞ」
独学で料理を覚えてきた俺はそう言って頷く
「い、いやっ!私はまだ未熟ものだよ…。だから、これからも教えてくれないかな…」
「料理本とか買ってくればいいじゃないか?紫に頼んでさ」
人から教えてもらったほうがわかりやすいし、その場で質問もできるから覚えも早いって言うけど。
本から知識を得ることも一つの手段だ。
「そ、そんなことしたら…神無としゃべる機会がなくなってしまうじゃないか…」
もじもじと小さな声で藍が何かを言ったのだが、聞き取れなかった。
「う、うん…別にいいけどさ」
今回は夕食だけ教えたけど…。
朝昼夜と三つも料理を教えて!とか言いそうで、疲れがドッと背中にのしかかった。
なかなか料理を教えるのって疲れるかもしれない。
そのためか、卓袱台に伏せていると、そのまま寝てしまった。
「神無、ありがとうね…」
おぼろに覚えている藍の声は、そういうものだった。
気がつくと俺は布団に眠っていて、藍の肉じゃがを食べられなかったことにショックを受けた。
――――――――――――――――――――――――――――――――――
翌日、今日は、博麗霊夢…とかいったかな、その人のところで、宴会が行われるらしく、八雲三人はそれに参加する。
「紫…今日も俺は、幻想郷にいけないの…」
二日連続で不幸にあった気がする。
二人にとっては良いことかもしれないけど。
まぁ、幻想郷に行っていた時のツケがドッときたのかもしれない。
「ふふっ、二人の相手をどうも」
「あはは…」
紫はきっちり見ていたようだ。
抜けているように見えて、そういうところはしっかりしているんだよね。
「留守番を頼もうと思ったんだけど、まぁ…飛ばしてあげるわ」
「あ、ありがとう!」
紫は、俺の近くに切れ目を作った。
「えーと、どこへ飛ばせばいいのかしら」
「紅魔館の近くに飛ばしてくれないか」
なんだかんだいって、紅魔館の中へは入れなかったのだ。
美鈴は空けていると行っていたから帰ってるかどうかもわからないけど。
帰ってきているという確立に掛けてみようと思う。
紫は不信の目を俺に向けた。
「んっ…また紅魔館へ行きたいの?」
うーんと紫は手を顎にあてて、考えている。
「なーんか、神無が「紅魔館へ行きたい」といわれると引っかかるのよね・・・」
「…どういうこと?」
「ううん、確証のないことは気安く言えないわ、後で調べておこっかな・・・それじゃ、飛ばすわよ」
「あぁ、わかった」
まだ疑問に残ることがたびたびあるが、それは紫に任せておくことにしよう。
「いってらっしゃい」「いってらしゃっーい」
「いってきまーす」
隙間が現れて、俺は闇へ飲み込まれた。