「…てゆうか、また新たなメンツが増えてるのね…」

「今日はいろいろとあったからなぁ」

色々あった中で気になったのが、やっぱり…。


「アスカル」

あいつは今どこで何をしているだろうか。

「なんで…」

ボソッと魔王が何かを呟いた気がした。

「え?」

「何でアツキの周りには女性しか集まってこないのよ・・・・」

口を尖らせて魔王がそう呟いた。

「さ、さぁ…?」

「…もぅ、アツキのバカッ…」

「なんでそうなる…」

「アツキはバカじゃ」


「なんでそうなるんだって!!」

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

それから、三人は宿屋の各自の部屋へと戻った。

そんな二人の一室。

「ねぇ、アツキ…」

隣のベッドに座っていた魔王が話しかけてきた。

「ん?」

「さっき、ドラゴン達との戦いについて話していたじゃない?」

サラと別れて、さすらいと俺で、あの戦いについて熱く語っていたのだ。

「アツキは、ノームの術を使ったのよね?」

「あぁ、四十以上の敵を固めてやったぜ」

「そこが…変なのよ…。アツキはそんなに魔力が強くないはずなのに、四十体もの敵を固めるなんて大技…」

そういわれて、俺は改めて気付いた。

「火事場の馬鹿力とかではないよな」

ベッドに座った俺は頭をめぐらせる。

「…やっぱり、生命の同化の影響だと思うのよ」

「…ナミかな?」

「そう、ナミの母親にはとても強い力があって、記憶を送り込むなんて大技をこなしている…」

「つまり、生命の同化で、俺とナミの魔力が融合したのか?」

「ナミは魔力の大半が削られいたけれど、もともと強かったのでしょう…多分、その通りだわ」


反対側のベッドに座った魔王がそう言った。

「…これもナミのおかげだね。ありがとう、ナミ」

――――えへへ

無邪気な笑みが伝わってきた。

――――お兄ちゃんの役に立てたのなら…私、嬉しいな。

心の奥底で、ナミがそう呟いた。

「ナミも嬉しがってる」

「そぅ、それはよかった」

魔王は笑った。

「そこで、今まで稽古は剣の基礎だったけれど、これからは精霊と剣を融合したものの稽古をつけていこうと思うの」


「あの…剣に炎の力をこめたり、体の一部に風の力をこめたりする奴か?」


「えぇ、それでも、あなたはまだまだ精霊の力を使いきれてないから」

「そっか」

「覚悟しておいてねぇ~」


「へいへい」

そんな会話をして、二人は眠りについた。