「うん、私も感じていた。主、お前には変な力が宿っているな」
レミリアと、この神様の神奈子がいっているんだ。もう間違いないと言っていいだろう。僕には変な力がある。
「宿っているのは宿っているが、そんなに強い力は感じない・・・。不思議奴だな」
神奈子は手を顎にあて、首をかしげた。
「能ある鷹は爪を隠すって言いますからね。強力な力を、はっきできて、いないのでは?」
あまり、実感はないし、そんな力も特に必要ないのだが。
「面白い。本領発揮するまで、観察でもするか」
「やめてください、ストーカーですか」
「ははは、冗談冗談。まぁ、諏訪子が祟れないとなると、攻撃類の力ではないな」
それからも、こっちの世界とあっちの世界の話を交えて、楽しい雑談が夕方まで続いた。
気付くと、外から雨粒が跳ねる音が聞こえる。
「・・・・・あ、やべぇ、レミーが夕方から嵐だって言ってたんだ!」
かなりすごい雨が振っている。距離と、傘がないことから、ずぶぬれになるのは確定しているし、リュックサックには電気器具が入っているから、出たくない。
「あぁ・・・失敗した・・・。」
「ありゃー、こりゃ帰れないねぇ~」
しかし、諏訪子は喜んでいるようだ。
「主は飛ぶことができないんでしょ?大変だねぇ・・・」
「うーん、博霊神社まで距離あるし・・どうするか」
やっぱり、この神社に泊まるしか方法はないだろうか?・・・・ちょっと気が引けて、あまり切り出したくないものだ。
「バッグはここにおいて、後日取りに戻ってもいいですか?」
「私は構いませんよ。なんせ、三人とこのでかい敷地は、あまりにあまってますから」
例えバッグを置いて帰っても、あまりにあまってるだろ。
「あ~、バッグの中は見ないでくれ。頼む」
こう言うと、見たくなるのが人間の性だが、ここで「見てもいいよ」と言うと、堂々と見られる。なんて不条理な日本語。
早苗だから、大丈夫だとは思うけどさ。霊夢見てると、巫女だとしても心配だ。
「あ、傘ならそこにありますよ」
玄関の傘立てに古くて、ボロい傘が置いてあった。 まぁ・・・ないよりはマシだけど、この嵐の中だと、グチャグチャになりそうだな・・。
end
続くノ