消えたと思ったら、見知らぬ人物を二人程連れてきたのだ。
「あぁ、本当だ・・・。懐かしいわね・・・。」
紫に近い青色の髪に、背後には・・・・。何かついている?
表現のしかたは僕にはわからない。
そしてもう一人、帽子に二つの瞳。
「うわぁー、早苗の言ったとおりだ!神奈子、現実世界の人見るの久々だねー」
ピョンピョンと飛び跳ねている、背の低い少女。
「えっと・・・?君が早苗?」
「え?!あ・・・はい!」
自分の名前を呼ばれたことに驚いていた。
「こっちへ来てから、現実の世界の人に会ってないから、なんというか、ホッとした」
幻想郷に、いきなり落とされた自分よりはまだマシだが、同じ環境で生きていることは、かなり嬉しかった。
「あ、神社でゆっくり、お茶でも飲みながら、お話しでもしましょうか、外は寒いですし」
寒いのは、寒いけど・・・。 巫女服の君の方が、よっぽど寒く見えるな・・・。
「あんた、名前は?」
「天田、主です・・・」
背の高い女性は、妙に威圧感があって、畏まってしまう。 なんだろう、この威圧感。
対照的に、この背の低い少女はほんわかしている。
「へー、確かに、名前もあっちの世界っぽいな。私は八坂神奈子」
神々しいという、第一印象。態度がでかそう・・?
「私は、洩矢諏訪子!よろしくねー」
こちらはかわいげのあるちびっ子。気になるのはこの、目玉がついている帽子が、たびたび表情を変えることだ。
しかも、この諏訪子と同化しているように、彼女が喜べば、その通りになる。
この三人も現実の世界の人間なんだろか? 巫女の方いいとして、この二人は、少しリアルを越えすぎだ。
「んじゃ、いこいこ!私、久々だなー、現実世界の人間、略して現人としゃべるの」
「何か変な略し方だねー。」
略して・・・・。 確かに、現代の「~系」という感じだなぁ。
end