その言葉の意味が・・・僕にはよくわからなかった。
「なんで・・・あなただけなの?」
僕の疑問を、答えと導いてくれるフラン。
「だって・・・両親は、もうあきらめてるんだもん・・・。もう、治らないって」
幼い自分は少し涙目になっていた。
「治らないの・・・?」
「お医者さんが、そう言ってた。もう治らないって・・・!」
次にはポロポロと、涙がこぼれている。
「僕は毎日言うんだ。なんでお見舞いに行ってあげないのって!仕事が忙しいとか、いつもそんな理由で・・・」
「・・・・・」
フランも突然、悲しい顔になっていく。
「治らないのなら、その分だけ・・・・お見舞いに行ってあげればいいのに・・・おかしいよね・・・そんなのおかしすぎるよ・・・」
「うん・・・」
「君はどう・・・?病気になって、寝込んでいるのに、誰も・・・・来なかったら?」
「寂しい・・・・・」
僕は口を半開きにして、幼い自分の言葉を耳に収めては、繰り返し頭の中で回している。
「まだ・・・二歳なのに・・・・二歳なのに・・・。何も知らないのに・・・何も・・・教えてあげれてないのに!」
ついには、相方の方まで、涙を貰ってしまっていた。
「ひどいね・・・・それはひどい・・・」
「僕・・どうすればいいのかな・・・。お医者さんになるにも、まだまだだし・・・時間かかったら、妹が・・・うぅ・・・」
「今も、一人で、寂しくて、悲しくて、心細いはずなのに・・・・僕より、ずっと頑張っているはずなのに・・なんで、妹がこんな目に・・・。だったら、僕が全部背負ったのに・・・なんでなんで・・・・・・」
自分は、何度も、答えの返ってこない闇に問うのだった。
二人は落ち着きを取り戻した。
「ねぇ・・・・僕は天田主って言うんだ。君は?」
「私は、フランドール・スカーレット・・・。いまさらだけど・・・」
二人は目を赤くして、少し笑った。
「・・・・ねぇ、この幻想郷の外に行けばね、妹の病気が治せるかもしれないんだ・・・・・」
少しずつ、フランが笑顔になっていく。
「さっき、パーティーを走りまわってる時、そんな話を耳にしたの・・・だから、僕は外に行こうと思う」
「え・・・・・行っちゃうの?」
フランは笑顔になったものの、すぐに悲しそうに呟く。
「うん、いつかね」
「じゃあ、今度は私の話を聞いて欲しいな」
end