続きだ・・。
予想通り、自分はレミリアに片手で持ち上げられて、重たい扉を開いている。
僕は両手でも精一杯なのに、レミリアは片手で開けたのだ。
開いた扉から先は暗く、階段は扉付近しか見えなくて、後は暗闇に溶けてしまっている。
恐怖も感じず、レミリアは簡単に階段を下りてゆく。
普通の人間であれば、階段から足を踏み外してしまう。それほど暗いのだ。
夜行性の吸血鬼の目。さすがである。
階段を下りた先には、ランプが灯っている。
――――――――――――――――――――そこで途切れた
僕は両手、力一杯扉を開けた。あまり開いてはいないが、僕が入れるぐらいの隙間はある。
隙間を通り、暗闇を転びそうになりながらも、慎重に下りてゆく。
靴の音が不気味に響いて、目の前に怪物がいたとしても、僕は気づかないだろう。
ランプが見える。 暗い中のランプ。
――――――――――――――――――――――――――――――回想
「フラン?起きてる?」
レミリアの声が、暗闇を響かせる。誰もいない静けさが、また戻ってくる。
「起きてるよ・・・。上がうるさいから眠れないよ」
さすがに幼い自分も、少し驚いているように見えるが、さほどおびえている様子はない。
「遊び相手連れてきたわよ」
「本当に・・・!?今日はうるさいから、遊び相手が欲しかったんだぁ・・・!」
いくつもの牢屋の中に、二つだけ、紅く光っている。猫よりも鋭くて、恐怖心を誘う。
「ほら、これ」
ゴミのように、幼い自分は牢屋の中に、紅く光っている目の人物とともに入ってしまったのだ。
「じゃあね。パーティー終わるまで、その子と遊んでてね」
「わかった!」
さすがの笑みも、恐怖心の穴を掘るだけだ。
しかし、幼い自分はやはり、動揺の一つもなく、ただ平然と暗い闇に怒りの目を向けていた。
「ここ暗い・・・。よく見えない・・・。明かりないのぉ?」
「ないよ」
なぜか、返事が返ってきた。
「もう、暗いのはあまり好きじゃないのに」
大人だったら、心臓が壊れているだろうこの状況、僕はすごいとしか思えなかった。
「君はここで、何してるの?」
「私は、ここで・・・・うーん・・・何してるんだろうね」
「自分の事なのにわからないの?」
「うん」
相手も幼いしゃべり方のように思える。
「ねぇ・・・・・・・。何もしないのなら、僕の夢を聞いて欲しいな」
「・・・・その前に、遊ばない?」
「何して?こんな暗いところで、遊ぶものなんてないよ」
「殺し合いっていう遊び」
一つのキーワードで、つばを一つ飲むのに、一苦労になってきた。
「こ、ころ・・?試合?・・・?何それ、試合って遊びじゃないよ。もう、そんなことはいいよ」
「でも、私は楽しいの」
「自分一人楽しくても、しょうがないでしょうが?・・・・っぷ。僕、ギャグ言っちゃったよ」
end
あぁ、それで終わるのね、みたいな