言われた通り、僕達はイスに座ると、咲夜が紅茶を運んできた。
「日光があるのに、外に出るなんて、レミリアも危険なことするわね」
「これぐらいなら大丈夫よ・・・」
二人は簡単に一言二言交わす。僕は城のまわりを観察していた。
「てゆうか、なんで霊夢がついて来たわけ?」
「主が心配だからよ。あんたに食われないかどうかね」
「そんな野蛮なこと、しないわよ」
吸血鬼なら、そう考えられてもおかしくないだろ・・。
「血を少し貰うだけよ。フランは人を壊しちゃうけど、私は扱いなれてるからね」
「主はやめてよね、私の弟子なんだから」
あれ、師匠が今増えたような気がした。でも、そう言ってくれたほうが、僕が殺されずに済む。
「わかってるよわよ。それより主。そろそろしゃべってよ。本当に久しぶりなんだから」
え・・・・。久しぶり・・・? ってことは、こいつと幼い頃、出会ったことがあるのか・・・。
「ま、十五年ぶりだから、覚えてなくてもしょうがないわよね」
十五年・・・? いや・・・でも・・確か・・・紫は・・・・十三年前って・・?それで藍も頷いていた・・はず。
―――――――――――「覚えてないの藍?13年前、同じように、ここに一人の少年が来たでしょ?」
「覚えていなんじゃ、しょうがないわね」
一つ置いて
「私は、レミリアスカーレット。この館で、一番偉い人の名前よ」
・・・・
ズキッ
頭がうずいて、記憶の風穴が、少しずつ閉まってゆく。
end