周りを妖怪に囲まれ、しかも、僕は傷だらけ。


「って・・・あれ・・・」


傷が・・治ってる・・・?なんだ・・これ・・。


まぁいいや、これは好都合だ!突っ込むぞ



体格のいい妖怪の頭を踏みつけ、飛び越えて、とにかく走る。


「くそ!なんなんだよ、こいつら・・!」


危機的状態であり、波立つ心臓が、息を荒くしている。


「っ・・・」


――――――――――回想


湖、でかい館、木々。


自然が多い場所。


「あんた、あんまし見ない顔ね」


湖の中、自分に声をかける、一人の少女


「あんたにだけ教えておくけどね、あたいってサイキョーなのよ!」


「そうなの・・・?でも、サイキョーっぽい、ぽいね!」


そう言うと、少女は頬を掻いて照れていた。



「何か、困った事があったら、あたいが助けてあげるよ。だって、あたいはサイキョーなんだからね」


満面の笑み。


「うん、チルノ」


――――――――――――――――――――――――


「・・・チルノ・・・・」


目の前に見える湖、幼い僕はここにいた。 


そうするしかない。


ぬれることも気にせず、、湖に入る。


妖怪は飛んでいるというのに、これでは減速して、捕まってしまうかもしれない。


だけど・・・ここには・・


「チルノ!!」


湖の石に足をかけて、腰をつかせてしまう。


殺される・・・!


すぐに振り返ると


そこには、予想もしない光景があった。 





湖に近づいた妖怪、すべてが既に、凍っていたのだ。


まるで、時間が止まったように。


「正義は、悪を滅ぼすものなのよ」


すぐそばで、声が聞こえた。


いつのまにか、背中に氷の刃を備えた、一人の少女「チルノ」が、傍で、尊大に、腕を組んで、立っていたのだ。


その姿は、何も知らない、誰も知らないこの場所に落とされた僕にとっては、たった一人の心強い味方に思えた。


「チルノ・・・・」


笑った。  久しぶりに笑ったよ・・。


「困ったら、助けてあげるって言ったでしょ」


「あぁ・・・・、ありがとう」


チルノに手を貸してもらい、なんとか起き上がった僕の服は、水を重たく吸ってしまっている。


「あたいが助けてあげたんだから、その代わり」


「うん・・・?」


「あんた、あたいの子分になりなさい」


子分、 あまり、悪くない気がした。 反対に、少し嬉しかった。


「あぁ・・・いいよ。チルノ、本当にありがとう」


「こんなの、あたいにかかれば楽勝よ」


「やっぱりチルノは、サイキョーだ」


やっぱり、チルノは照れて、頭を掻いた。






「チルノに捕まったわね・・・。隙を見て、食ってやろうかと思ったのに・・・」


帽子を被り、黒い羽を広げた少女は、去って行った。




「おぉ・・・・これは大スクープ!」


反対に、カラスのような羽をした少女は、喜んで去って行った。



END


二話連続投稿終了!昨日投稿できなかった分を取り返したよ♪


チルノにバカって言えばおこるけど、チルノにサイキョーって言えば・・・ね・・?


そこらへん、幼い主君は理解はしてないけど、バカとも言えないから、とりあえず喜ばすように仕向けたわけね。


自分はチルノ大好きなんで、これから登場が半端ないっす。


次回も、色々とw