家を出て、何時間、何日経っただろうか。
自分は、町を抜け出せず、公園のブランコに揺られている。
かげる記憶。
この公園に、見覚えがある。
だけど、思い出すことができなかった。
そろそろ、出発しよう。
何時間、揺れていたんだろう。
今頃思い出しても、すぐにチリとなるんだ。
公園の出口へ近づくにつれて、不思議な、穴を見つけた。
それは空中に浮いており、いくつもの目玉が見える。
空間が切れて、向こう側が見えない。
恐る恐る、手を入れてみる。 どうなろうと、もう、どうでもいい。
そう考えると、簡単に手を入れられた。
何かが流れ込んでくる気がした。