子供の頃、僕はよく透明人間になった。
空き地で野球をしていた。
僕はバットをかまえる。
だけど、二塁ベースにも僕がいるのだ、透明人間な僕が。
僕が打つとその透明人間が三塁へ走る。
5人だけでも空き地でやる野球は大賑わいだ。
隣りの家の同級生のなっちゃんは女の子だからかくちが達者だ。
おままごとにつきあわされたことはしょっちゅうだ。
そのときなっちゃんにママがとりつき、
透明人間のパパに、
“お帰りのキスわ?!”と言ったのだ。
なっちゃんは目をとじて、くちを少しだけとがらした。
そのくちびるに透明人間のパパはキスをする。
僕はなんだかとてもいけないところにいるような気がした。
子供の頃、よく透明人間があらわれた。
大人になった今でもたまに。
グラマラスな女性が僕を抱きしめる。
電気を消したなんにもみえない部屋で。
君にはみえる?
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新聞に連載されていたそうだ。
その書籍化。
オチなんかない。
物語がないかもしてない。
あれ?でも、なんかおもしろいかも?!
そんな本に思える。
意外とこれが心地よい。
なんでだろう?