便箋に茨のなかをすり抜ける蝶の軌跡を探す機関車
ベランダにハンガーをかけ家を出る男はいつも風に吹かれて
天使らにわけた琥珀のバーボンの味わいに似たジャズ 夜明けまえ
たまにあるくちに出せないさみしさは沈みきれない氷のように
夏空のツバメをみてる俺たちにあしたはあるが待ってるだけだ
毛が生えた心臓の位置探り出す我がうちにある銃の囁き
生きているふりみたいだぜ本当に生きてることをわすれたように
飛ぶ鳥の影につつまれ上空に無数の星が瞬いている
新聞が透けた路上で濡れている髪に隠れた君をみつめる
レイトショー終えた劇場あとにして古い車に乗り込めば朝
死んだならどうなるかより眠りつきどうなるかより目を閉じてKiss
もしかして道に迷っているのかも雲は流れてどこまでも空
地を揺らす音解き放つ沈黙の閃光に似た目の赤い線
夕立にかすんだ街が恍惚の黄金色に静かに聳え
落ちそうな雫で孵化を待つような空と大地とひかりと闇と
エンプティーランプが点いたHighwayで彼女が恋を占いはじめ
都合いい女を連れて首都高で12時までの摩天楼越し
Ignition! トップギアーでコーナーのGになれない彼女がゆれて
いいケツの女のことをママにしてレザーシートは黒く輝く
雨の降るバックミラーに映ってる彼女は傘をささず手を振る
砂埃あげて荒野の眠ってた髪踊らせる風とエンジン
大股でギター抱えりゃガソリンの匂いに満ちたならず者の道
笑わせていないんだけど気持ちよく笑えるときのハロー注意報
Give Up 溺れ苦しむそのときに一番上がみえるどん底
お前んち出たら背中を追う月が消える家路でスピード落す
手元へと近づく熱を吸い込んで胸にシミイル遠くの汽笛
貝殻の模様を描き潮騒を遠くに聞けば扉なき部屋
逆立った背鰭が指に刺さるとき抑えた想い赤くしたたり
音符無き譜面を焼けば灼熱で焼けた素肌に風のメロディー
落花生畑にまいたあて先のないラブレター如き欲望
毒蛇に噛まれた傷で一匹のヒルが膨らむ黒き雨雲
ぼろぼろの力石をみるスタンドが匂い始めた青春歌集
Soulなく歌も浪漫もない夢が寺山修司の歌集を照らす
やさぐれた雄鶏が鳴く理由なき反抗に似た太陽の赤
雄鶏は松に登って鳳凰の化身を望み空に太陽
遺書に似た日記をかけばどこまでも止まることなき深夜特急
Highwayでアース・ウィンド・ファイアーを聴いてアクセル踏み込めば夏
夏の恋、アース・ウィンド・ファイアーという殺虫剤で駆除する9月
夏地獄。皮一枚でつながった鱧を食べてはあしたを生きる
君はまだ目をあわせずにハーブ摘む、くちびるだけは匂いを残し
年上の女性(ひと)に誘われ口にしたリンゴの蜜は誰にもいえず
風が吹き傘が飛ばされあの人に残す留守電途中で切れた
空を飛ぶ雲にあこがれガソリンを運び続けるタンクローリー
真っ白な手紙のような雲をみて遥か彼方の無口な親父
とけていくロックアイスに逃亡者、記憶、シガレットまずはどれから
ブルースな足音消えた十字路の猫の瞳の悪魔よ起きろ
服を脱ぎスパイ容疑をぬぐいさる尋問のため交わす 乾杯
さようなら、レンガの壁の一つだけワインレッドを見抜いた天使
雨の街、歩く路上に映ってるふたりにKISSをさせたまま雨
また眠る。大きな月が出た夜が街を包めば蒼い静寂
どこまでも1+1がそのままの1+1のLoveは純粋
自転車のサドルが下がりゆるゆると帰る道には雨が降るのだ
空高くテナーな風のセッションを聴いてサックス色の夕焼け
無口なるオヤジが作る手間かけたホットドッグが記憶で語る
愛なんて口に出せない奴だから遠回りして春を迎える
沸騰の100%純情は何も残さず空気のように
金塊に輝く顔を金塊はテロリストだと見つめ返した
荒波もたまにはなけりゃ風のない日には一点だけをみつめる
老朽化していく船といつまでも変っちゃいないふりの水面
ダンスするように戦う兵士らが剣をあわせる血祭りの音
じゃらじゃらと黄金の血があふれでる奴の傷跡作った裏切り
ゆらゆらと波をとらえるカーラジオ、陽がのぼる海、無口なぼくら
陽がのぼる海の向こうの風がいま少しやんちゃに顔を過ぎてく
夏が来る朝の海辺の駐車場、日陰に消える夜露死苦の文字
水面と空のすきまからスキップで脱走兵がやって来る音
みずうみを跳ねた魚の音を聴き 糸が絡まる朝らしい朝
風みたくアコースティックギター弾き波と朝陽を自由自在に
胸元のこの刺青がなんなのか眺める空に雲ひとつなし
独り言続けていれば耳にする人があらわれ譜面にかわる
アルバムのメモを信じて作る過去、泣いて生まれたことになってる
アルバムのメモを信じて作る過去、泣いて生まれたことになってる
復讐をうけた死体の代弁をするかのように転がる薬莢
「しあわせ」に両腕はなくいつまでも悲しい日々を美化し抵抗
どこいった、誰が誰だかわからない背中で探し神経衰弱
切れそうな毛糸に挟む眠れない夜につむいだランダムなメモ
押すことも引くこともなくタップしてはじめる恋のカウントダウン
屋上で煙草のけむり眺めてた 空の夕焼け焦げる闇まで
マハラジャの粋な腰つきキラキラとpureな汗混ぜ闇に輝く
MAXにボリューム上げて答えから叫んだあとに質問がくる
頬寄せてBeatがBeat抱きしめてKISSする音でステップを踏む
手をひいて今日の予定をボディコンの譜面どおりに喉元鳴らす
だからなにそれでなんなのパフュームが小粋に誘う Into The Night
地下鉄のヘッドフォンから洩れてくる迷路に迷うネズミの叫び
山頂で鳥の気分になったのにさっき泳いだ湖に空
跳ね馬の無駄な刹那の鬣をなびかせる夜纏う肉体
七夕に川の流れに逆らって星追う鯉のモラトリアム
銃口をまくらにあてて舞い散った羽毛が叩くベースの調べ
炎天下、水に沈んだ熱帯魚みたいな青いライター 泳げ
セントラルステーションから飛び立った鳥をホテルの窓から望む
飛ぶ鳥の翼のように目を開く、見知らぬ場所と見知らぬ言葉
何本も吸殻ささる空き缶のくちにあふれた幾何学模様
脱殻を机のうえに置いておく理由のようなひかりを写す
蟻の巣が埋もれる雨にずぶ濡れで帰った俺は風呂を沸かした