「腫れた顔殴るほど気が強くない」目をあわせずにいう人の背(せな)


 宇宙ではくるくる回る砂時計、カウント10(テン)を聞くまでのとき


 海底に crash dive する如く空に向かって芽吹く宿命  

                   

 予期しない苦戦だってのに泣いている迷子の声が気になっちまう


 壊すからおもちゃ箱にはなにもない男はいつも風上に立つ


 いつの日か死ぬんだろうな 断崖の先端に吹く風で待ってる



  *crash dive=急速潜航

松本 大洋
ZERO―The flower blooms on the ring………alone. (上)

 もうやってないけど黒帯を持ってる

 サッカーも全国レベルだった

 でも、それだけ

 別にプロになれるほどじゃない

 今でも簡単にあの苦しい練習は思い出せる

 もう10年以上は前だけど


 フラレタ恋やらオワッタ恋のかなしみは思い出せない

 反抗ばかりで喧嘩ばかりの日々だった気持ちも全く思い出せない

 そんなことなかったかのように思い出せない

 なのにあの練習の苦い味は思い出せる

 それでも浜辺の砂のひと粒の存在


 輝いた場所に憧れたのは

 輝きに照らされて輝く場所でなく

 輝きを発することのできる高い場所

 

 経験した人だけがわかる場所がある

 輝いているけど

 恐い場所

 そんな気がする俺の知らない入れない場所