前回、FL Studioを使って、(習作としてだが)音楽を作ったのに、それから、また何ヶ月も作っていない。
「とりあえず、基本操作は覚えた。これで次は本気で・・・」とヘンに意気込んでしまうと、自分で“しきい値”を高くしてしまって、よっぽどいいアイデアが浮かばないかぎり、動こうとしなくなった結果である。
「これではイカン!」と、心の中では思いながらも、ついつい、XBOX360でゲームなんかして現実逃避をする日々が続いていた。
そんな時、KORGから届いたMail NEWSで、
KAOSSILATOR
のピンクがアウトレットに!という情報が。
早速KORGオンライン・ストアを見に行くと、限定2台で12800円。
このKAOSSILATOR、実は2年前の秋に開催された「楽器フェア」で、最も気になった新製品であった。
ただ、メインの楽器とするには機能が限定的であり、おもちゃとしては高い微妙な価格(実勢2万円前後)のため、「もうちょっと安くなれば・・・」という気持ちのまま、それからずっと気にはなりながらも購入には至っていなかった。
しかしそれが、1万円台前半。しかも限定版カラーのピンクである。
「創作意欲の落ちている自分にはカンフル剤としてこれは必要だ!」という、勝手な論理で(笑)、悩むことなく、購入ボタンをクリック(^^;。
一週間ほど経って届き、早速イヤホンをつないで触ってみると・・・。
「ああ!、やっぱり気持ちイイわあ、これ・・・」
と、パッドを指で“うりうり”しながら、シンセサウンドに陶酔していた。
手元にないとなかなか試せなかった、フレーズを重ね録りできる機能も、ちょっと説明書をみながら操作すればすぐに覚えられ、音をどんどん変えながらフレーズを重ねて凝ったループをつくり、その上で、リード系の音色を選んで、アドリブで弾きまくる・・・という「遊び」に没頭していた。
ただ、なかなかイイ素材が出来た・・・と思っても、
フレーズを保存できないという刹那的仕様(笑)
のために、せっかく作り上げた名曲(?)は、一晩寝れば、本体からはもちろん、記憶からもすっかりと消え去っていた。それでも本人は、フレーズづくりしている時間は、とても気持ちよく“音楽”していたので、満足していた。もちろん、多少もったいない気持ちはあったが・・・。
そんなある晩、いつものように、適当に遊んでいたら、結構カッコイイフレーズが出来てきた。
「これは・・・消すには惜しい。録音しよう」
とPCを立ち上げ、FL Studioで録音しようとするが・・・。
実はまだFL Studioで録音したことがない
という事実にいまさら気がつく(笑)。慌てて説明書などを見ながら録音してみるが、録音後になぜか必ずFL Studioがハングアップする。
諦めかけるが、とりあえず録音さえすればいいので、オーディオインタフェースの desktop konnect 6 に同梱されていた、Cubase LE4で録音する。
翌日、録音されたものを聴くまで、曲はすっかり忘れていたが(記憶ってそんなもの)、聴けばすぐに思い出す。
フェードアウトくらいしようとCubase LE4で加工を始めるが、操作しながら何度も聴いているうちに、どうも曲が長すぎる気がしてきた。しかし編集してしまうと1発録りの意味がなくなる。
(制限的な本体機能だけでここまで出来るという実験に意味があるので)
そこで、録音された曲をもとに、もう一度、KAOSSILATORを演奏して“再現”を試みるが・・・
狙い通り正確に弾くのはタッチパッドではムリ!
という結論に(^^;。
まあ、この録音で諦めるか・・・と、曲の終わりをフェードアウトするだけの加工し、.wav化、そしていつものように、QuickTimeで .mov 化する。この曲は、所詮、試験的なものなので、曲名をしっかり考えることもなく、ファイル名も「kaoss01,mov」と適当につける(笑)。
そこでふと、FL Studioで今後も録音に支障があるのは、イヤだなーと、急にそっちが気になりだした。せっかくフルバージョンのXXLを買ったのに。
(解説: FL Studio には、Fluity Edition という録音機能がない安価なバージョンもある)
同様の症状とその対策がどこかに載っていないかと、海外の公式サイトも含めて探してみるが見つからない。
こんな時、出来ることと言えば、オーディオインタフェースのドライバーを(あれば)最新にして、FL Studioの初期設定をもう一度確認してみる・・・くらいしかない。
t.c.electronic から、desktop konnect 6対応の最新ドライバーをダウンロードし、PCの旧版をアンインストールしてから、最新版を再インストール。その後、FL Studioのヘルプを見ながら、初期設定の項目を、ひとつひとつよく確認しつつ合わせていく。いくつか違っていたところが見つかったので修正する。もしかして異常は、これのせいか?
その後、試しにKAOSSILATORを適当に弾いたものを録音してみると・・・・
「おお!うまくいった!」
それで、とりあえず録音されたデータはどこに保存されているのか?と思ってファイルを見てみると、
「ん?なんかいっぱいファイルがある」
今、録音して生成されたファイル以外に、なぜかファイルがある。
再生してみると、なんと!
昨日、録音失敗していたものが、残っているではないか!
なるほど、録音ファイルを生成するまでできていたが、その後にハングアップしてたのか。
(*1)
その中には、本気で弾いた、“別テイク”の演奏がフルで残っていた。
昨晩、最初にこれを弾いたとき、「ちょっとめちゃくちゃやりすぎたよなー」と思って、Cubase で録音し直すときには、事前にある程度プランを考えて、何度かリハーサルもしてから録音したのだが、改めて、このFL Studioで最初に録ったテイクを聴くと・・・
「かなり荒っぽい・・・・でも、こっちのほうが勢いはある」
と感じた。
プロ・アマ問わず、録音で何テイクを録ってみたものの、結局最初が一番良かったというのは、よく聞く話である。音楽って、やっぱり、頭でいろいろ考えるよりも
感覚に素直に従ったほうが大抵イイ結果になるのね。
この曲も、丁寧につくったCubaseのテイクより、こっちのほうが、たぶん聴いたときに“心に来る”だろう。
そこで、このFL Studioでのテイクを改めてフェードアウト処理と、.wav化、.mov化。
ファイル名は、Cubase録音版よりも演奏がアグレッシブなので
kaoss01_aggressive.mov
←クリックで作品ページへ
とした。←やっぱり安易(笑)
比較のために、2テイクをアップしてみようかとも思ったが、やっぱりNGなものは、表に出さないほうがクリエイターとして正しいと判断して、こちらだけにした。
(*1)
実は、以前からFL Studioで作ったもの(外部からの録音なし)で、最後にExportした際に、処理後に必ずハングアップしていた。ファイルは出来ていたので、とりあえずFL Studioを強制終了させて済ませていたのだが、今回録音した場合も、ファイル生成だけしてハングアップするので、ソフトウェアとしては、同様の症状と言える。
FL Studio情報共有:
Exportすると処理後に必ずハングアップする(プログラムが動かなくなる)、レコーディング後に必ずハングアップする(ファイルは生成されている)という症状の場合は、ヘルプの「セットアップウィザード」をもう一度やって、全ての項目の設定が指定通りになっているか確認しましょう。