前回、「制約の中で考えることがいい」みたいなことを書いた。
そのときにふと浮かんだアイデアでやってみたもの。

テンポを最遅(20)にして、リズム系の音は一切使わず、ゆっくりと音量が変化するような音色でバックを作り、自由にソロを弾いてみる。

a.29のフルートの音色が、なかなか良いので、日本の音階を使って、しんみりと演奏してみた。
自己評価として、メロディーが今ひとつ散漫な感じがする。もう少し印象の強いフレーズが演奏できれば良かった。

KAOSSILATORは、ドラムのない曲づくりには向かないと思うが、いつもガンガンにうるさいと飽きるので、たまには、こういうインターバル的な1曲があってもいいだろう。

kaoss05_Miyakobushi.mov  ←クリックで作品ページへ
KAOSSILATORの一発録りの第4弾。
エオリア旋法。

今まで、KAOSSILATOR単体による「8小節ループレコーディング+アドリブソロ」で、作ってきているが、今までと違うものを作るのが、だんだんと厳しくなってきている(当然か)。

曲として完成度をあげるなら、KAOSSILATORで作ったパターンを素材として、FL Studioに取り込んで作っていけばいいのは判っている。とはいえ、あえて制約を作った中でいろいろと考えていくところに、新しいアイデアが生まれてくるものだとも思う。

実際、KAOSSILATORで遊んでいて(偶然?)出来たパターンは、もし、普通のキーボードで弾きながらであれば、きっと思い浮かぶことはなかっただろうというものが多い。

私はこれを一種の“トレーニング”だと思って、とりあえず、なんとか10曲は作りたいと考えている。


さて、この kaoss04_Aeolian だが、どうにかしてゆっくりとした曲を作ろうと思いながら、どうもうまく行かず、仕方がないので、普通に(?)やってみた曲。
今までのものと違い、一応出来たものの、なんとなく今ひとつな気がして、でもボツという程でもないような、合格ラインぎりぎりな感じがした。その為、数日間“寝かせて”みたが、それでも判断できなかった。

ただ、まだ(10曲までは)先が長いのだから、一応コレも入れておこうか・・・という、消極的な決断で、4曲目とした。

でも、今聴いてみれば、そんなに悪くもないか(^^;。


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KAOSSILATORの一発録り、第3弾。
タイトルのDorianは、ドリア旋法であるというだけ。

第2弾の RagaBhairavは、1作目の後にすぐに出来たが、3作目となると、いままでと全く違うモノを・・・という意識が強くなりすぎて、うまくいかず(^^;。
実は、このDorianの前に、Wholetone(全音音階)で、ゆったりとしたテンポの不思議系パターンを作ったのだが、パターンの上に乗るメロディーがうまく決まらず、結局ボツになっている。

KAOSSILATORの小さなパッドでは、指先の位置がちょっとズレるとすぐ隣の音が鳴ってしまう。それは、速いテンポの曲では、わずかなブレとして、味とかニュアンスのように聞くことができる。しかし、遅いテンポの曲では、そのわずかなブレが目立ってしまい、単なるミスとして聞こえてしまう。

KAOSSILATORでの遅い曲作りは、当分の課題となりそうだ。


さて、今回の曲は、「久しぶりに、寝る前にちょっとKAOSSILATORを触ってみるか・・・」と始めたら、案外、面白く出来てきてしまったので、慌てて録音したもの。←第1弾のときと同様(笑)

メロディー(というか和音)となる音量が弱く、全体の中に埋もれ気味なので、抜き出るような他の音色を探したりもしたが、結局、この音色がいちばんしっくりくる・・・ということで、これにした。
この不明瞭さも、KAOSSILATORのネーミングらしく、カオス(混沌)な感じであり、まあ、こういうのもたまにはイイだろうという勝手な判断である。

パターンで使った音色が、kaoss01_aggressiveでのエレキギターや、kaoss02_RagaBhairavで使ったSEなど、結果的に似た音色になってしまった気がするので、そこは多少反省すべき点ではある。
ただ、音色にも人それぞれ好みがあるので、結果的にどうしても偏りが出来てしまうのも仕方がないところか。

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KAOSSILATORでの一発録りという、お気軽&お手軽さに調子を良くして、早くも2作目。
というかコレこそKAOSSILATORだからこその敷居の低さ(笑)。

kaoss01がロック系だったので、全然違うモノでも・・・と、とりあえずテンポはゆっくりに。
音階は・・・んー、出来るだけヘンなの・・・とVALUEダイヤルをぐるぐる回していると、“RG1”という表示。
なんだこれ?と弾いてみると

「ああ、インドねぇ・・・」(^^;

なぜ“RG1”なのか?と、同梱のSCALE LISTを見てみると、
RG1: Raga Bhairav
RG2: Rage Gamanasrama
RG3: Raga Todi
とある。
ネットで調べてみると、Raga(ラーガ)とは、インドの音階のことで、沢山あるインド音階の中で、Bhairav(バイラブ)は、重要な音階のひとつ・・・らしい。

しかし、KAOSSILATORの音階は全部で31パターンしかないのに、そのうち3つも使うとは、インドは優遇されている?(^^;。


「インドだと、なんか鈍い太鼓とか、ビヨンビヨンした音とか合うよなぁ、きっと」

と、普通の曲のの作り方と違って、SE系の音色から選び出す。
太鼓もゲートアルベジエーター使って、拍子がずれていく感じで。

意外にあっさりとバックのパターンが決まる。

あとはメロディーパート。リード系音色を選んでいくと、声みたいな感じの“L03”(Tell Min)がしっくり来た(^^)。
弾くときは、パッドを指1本で抑えたまま、あまり大きく移動せずゆったりと弾き、時々手を揺らしてみると、不安定な感じが出て、なぜかソレっぽい。

最後をどうするか考えずに弾いていたので終わりようがなく、適当にフェードアウトする・・・ということにして録音打ち切り(笑)。
そして保存ファイル名を・・・と、、(また)曲のタイトルが全然思いつかない。

結局、この音階名をつけ、kaoss02_RagaBhairav ということに。

kaoss02_RagaBhairav.mov  ←クリックで作品ページへ
前回、FL Studioを使って、(習作としてだが)音楽を作ったのに、それから、また何ヶ月も作っていない。
「とりあえず、基本操作は覚えた。これで次は本気で・・・」とヘンに意気込んでしまうと、自分で“しきい値”を高くしてしまって、よっぽどいいアイデアが浮かばないかぎり、動こうとしなくなった結果である。

「これではイカン!」と、心の中では思いながらも、ついつい、XBOX360でゲームなんかして現実逃避をする日々が続いていた。

そんな時、KORGから届いたMail NEWSで、KAOSSILATOR のピンクがアウトレットに!という情報が。
早速KORGオンライン・ストアを見に行くと、限定2台で12800円。

このKAOSSILATOR、実は2年前の秋に開催された「楽器フェア」で、最も気になった新製品であった。
ただ、メインの楽器とするには機能が限定的であり、おもちゃとしては高い微妙な価格(実勢2万円前後)のため、「もうちょっと安くなれば・・・」という気持ちのまま、それからずっと気にはなりながらも購入には至っていなかった。

しかしそれが、1万円台前半。しかも限定版カラーのピンクである。

「創作意欲の落ちている自分にはカンフル剤としてこれは必要だ!」という、勝手な論理で(笑)、悩むことなく、購入ボタンをクリック(^^;。

一週間ほど経って届き、早速イヤホンをつないで触ってみると・・・。

「ああ!、やっぱり気持ちイイわあ、これ・・・」

と、パッドを指で“うりうり”しながら、シンセサウンドに陶酔していた。

手元にないとなかなか試せなかった、フレーズを重ね録りできる機能も、ちょっと説明書をみながら操作すればすぐに覚えられ、音をどんどん変えながらフレーズを重ねて凝ったループをつくり、その上で、リード系の音色を選んで、アドリブで弾きまくる・・・という「遊び」に没頭していた。

ただ、なかなかイイ素材が出来た・・・と思っても、

フレーズを保存できないという刹那的仕様(笑)

のために、せっかく作り上げた名曲(?)は、一晩寝れば、本体からはもちろん、記憶からもすっかりと消え去っていた。それでも本人は、フレーズづくりしている時間は、とても気持ちよく“音楽”していたので、満足していた。もちろん、多少もったいない気持ちはあったが・・・。

そんなある晩、いつものように、適当に遊んでいたら、結構カッコイイフレーズが出来てきた。
「これは・・・消すには惜しい。録音しよう」
とPCを立ち上げ、FL Studioで録音しようとするが・・・。

実はまだFL Studioで録音したことがない

という事実にいまさら気がつく(笑)。慌てて説明書などを見ながら録音してみるが、録音後になぜか必ずFL Studioがハングアップする。

諦めかけるが、とりあえず録音さえすればいいので、オーディオインタフェースの desktop konnect 6 に同梱されていた、Cubase LE4で録音する。

翌日、録音されたものを聴くまで、曲はすっかり忘れていたが(記憶ってそんなもの)、聴けばすぐに思い出す。
フェードアウトくらいしようとCubase LE4で加工を始めるが、操作しながら何度も聴いているうちに、どうも曲が長すぎる気がしてきた。しかし編集してしまうと1発録りの意味がなくなる。
(制限的な本体機能だけでここまで出来るという実験に意味があるので)

そこで、録音された曲をもとに、もう一度、KAOSSILATORを演奏して“再現”を試みるが・・・

狙い通り正確に弾くのはタッチパッドではムリ!

という結論に(^^;。

まあ、この録音で諦めるか・・・と、曲の終わりをフェードアウトするだけの加工し、.wav化、そしていつものように、QuickTimeで .mov 化する。この曲は、所詮、試験的なものなので、曲名をしっかり考えることもなく、ファイル名も「kaoss01,mov」と適当につける(笑)。

そこでふと、FL Studioで今後も録音に支障があるのは、イヤだなーと、急にそっちが気になりだした。せっかくフルバージョンのXXLを買ったのに。
(解説: FL Studio には、Fluity Edition という録音機能がない安価なバージョンもある)

同様の症状とその対策がどこかに載っていないかと、海外の公式サイトも含めて探してみるが見つからない。
こんな時、出来ることと言えば、オーディオインタフェースのドライバーを(あれば)最新にして、FL Studioの初期設定をもう一度確認してみる・・・くらいしかない。

t.c.electronic から、desktop konnect 6対応の最新ドライバーをダウンロードし、PCの旧版をアンインストールしてから、最新版を再インストール。その後、FL Studioのヘルプを見ながら、初期設定の項目を、ひとつひとつよく確認しつつ合わせていく。いくつか違っていたところが見つかったので修正する。もしかして異常は、これのせいか?

その後、試しにKAOSSILATORを適当に弾いたものを録音してみると・・・・
「おお!うまくいった!」

それで、とりあえず録音されたデータはどこに保存されているのか?と思ってファイルを見てみると、

「ん?なんかいっぱいファイルがある」

今、録音して生成されたファイル以外に、なぜかファイルがある。
再生してみると、なんと!
昨日、録音失敗していたものが、残っているではないか!

なるほど、録音ファイルを生成するまでできていたが、その後にハングアップしてたのか。(*1)
その中には、本気で弾いた、“別テイク”の演奏がフルで残っていた。

昨晩、最初にこれを弾いたとき、「ちょっとめちゃくちゃやりすぎたよなー」と思って、Cubase で録音し直すときには、事前にある程度プランを考えて、何度かリハーサルもしてから録音したのだが、改めて、このFL Studioで最初に録ったテイクを聴くと・・・

「かなり荒っぽい・・・・でも、こっちのほうが勢いはある」

と感じた。

プロ・アマ問わず、録音で何テイクを録ってみたものの、結局最初が一番良かったというのは、よく聞く話である。音楽って、やっぱり、頭でいろいろ考えるよりも感覚に素直に従ったほうが大抵イイ結果になるのね。
この曲も、丁寧につくったCubaseのテイクより、こっちのほうが、たぶん聴いたときに“心に来る”だろう。

そこで、このFL Studioでのテイクを改めてフェードアウト処理と、.wav化、.mov化。
ファイル名は、Cubase録音版よりも演奏がアグレッシブなので

kaoss01_aggressive.mov  ←クリックで作品ページへ

とした。←やっぱり安易(笑)

比較のために、2テイクをアップしてみようかとも思ったが、やっぱりNGなものは、表に出さないほうがクリエイターとして正しいと判断して、こちらだけにした。


(*1)
実は、以前からFL Studioで作ったもの(外部からの録音なし)で、最後にExportした際に、処理後に必ずハングアップしていた。ファイルは出来ていたので、とりあえずFL Studioを強制終了させて済ませていたのだが、今回録音した場合も、ファイル生成だけしてハングアップするので、ソフトウェアとしては、同様の症状と言える。

FL Studio情報共有:
Exportすると処理後に必ずハングアップする(プログラムが動かなくなる)、レコーディング後に必ずハングアップする(ファイルは生成されている)という症状の場合は、ヘルプの「セットアップウィザード」をもう一度やって、全ての項目の設定が指定通りになっているか確認しましょう。