こんにちは。
まだまだ暑い日が続きますね。
ただ、今週は比較的電車が空いているので、朝の出勤が楽なので救われています。
出勤前に見ていたニュースで、昨日の独仏首脳会談の話題があり、合わせて第2四半期のユーロ圏の域内経済成長率が+0.2%であったとの報道がありました。
いわゆる「リーマンショック」以来、ユーロ圏では金融不安が続いています。
ギリシアの財政危機に始まり、今やEUの中では比較的大国のイタリア、スペインの国債も急落、さらにフランス国債の格付の引き下げまで取り沙汰されてきています。
もはや頼みの綱はドイツのみ、とはいっても、さすがにドイツ一国でユーロ圏すべての財政危機を支えられるはずもなく、ドイツ国内でも、これ以上の財政支援は控えるべきという世論が広がっているようです。
日本も財政状況は相当悪いですから他人事ではありません。最近毎朝「比較的安全な通貨として円が買われる」というというフレーズを良く聞きますが、日本が良いというわけでは全くなく、「単一通貨を使っているユーロ圏のように、ドミノ的な連鎖破綻の可能性が少ない」程度の意味にすぎません。
しかし、歴史を振り返って考えてみると、この「ユーロ」という通貨自体が、壮大な実験のようなものです。
近代以降の世界はいわゆる「主権国家」の概念で国家を形成してきました。主権国家とは、国境線で区切られた領域を、単一の政治権力が統治し、内政・外交・軍事において、他国の干渉を受けず、また干渉しない、といった意味です。
共通通貨「ユーロ」を使用して、各国が独自の通貨発行権、および金融政策(公定歩合、いわゆる金利の決定など)などの「主権の一部」を放棄する。主権国家体制を作り上げたヨーロッパ人が、主権の一部を棄てて連携しているというのが、今のEUですね。
なので、イギリスは金融政策の放棄に慎重な立場から(かつての独仏との確執もありますが)、現在もユーロは使っていません。
今朝のニュースでドイツのメルケル首相とフランスのサルコジ大統領は「ユーロ圏の盟主である独仏の連携を強化する」ことを確認したようですが、フランスにはユーロ圏を支える財政的な余裕はドイツほどはありませんから、結局はドイツをどこまで引っ張り出せるか、ということなのでしょうね。
あとは、ドイツ人の我慢の限界がどこまでか?ということに尽きるのかもしれません。
結局はドイツ頼みか…
第二次世界大戦後、ヨーロッパは統合に向かって進んできましたが、今、かなり重大な岐路に立っていると思います。
ドイツの財政が今よりも悪化した場合、ドイツ人のナショナリズムが高まり、「ユーロへの支援を止めろ」といった世論が高まる可能性はないとは言えません。
もしそうなってしまったら…
その時点でユーロは、共通通貨の使用を事実上止めるというような方向に向かうような気もします。
もちろん、現実にはいきなりなくなるわけではなく、一度ユーロに参加した国がユーロから脱退、もしくは日本の財政再建団体のようになって、ユーロの使用を制限(あるいは追放)といった処置をとるということでしょうが。
もし現在進行中の財政危機への対応に失敗すると、これまで統合に向かってきたヨーロッパは再び分裂に向かう気がします。
ヨーロッパはこれからどちらに向かうのでしょうか。
目が離せません。
本当は日本の財政再建に向けての私見を書こうかと思っていたのですが、長くなりすぎましたので、次の機会にします。
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