さて、松竹裁判が始まりました。

 

昨日、日本共産党の答弁書も松竹さんの公式ページにアップされました。

 

https://matutake-nobuyuki.com/assets/pdf/20240620_tokyo_chisai/20240612_hikoku_nihonkyousantou_toubensyo.pdf

 

 

日本共産党の答弁書を一通り読みましたが、松竹さんが勝てそうな気がしました。

答弁書の特徴は、

 

①袴田最高裁判決での政党の自律権があるので、今回の除名処分に司法審査は及ばない

②名誉毀損の指摘部分は事実の適時ではなく意見ないし論評であり、名誉毀損は成立しない

③政党の意見ないし論評は表現の自由として尊重されるべきである

 

ということだと捉えました。

①は袴田判決で裁判所が「一般市民法秩序と直接の関係ない内部的な問題にとどまる限り、裁判所の審判権は及ばない」として、手続きの瑕疵について検討したことを意図的に無視しています。たぶん手続き的にまずいことを弁護士団は避けようとしたのだと思います。

 

袴田里見裁判では、手続きの適正さについて裁判所も検討していました。

 

 

 

 

松竹さんの訴状では手続きの違法性について述べていますが、そこに踏み込まない戦略のようです。


②は名誉毀損の疑いが強いと共産党の弁護団が思ったのでしょう。だから③で政党は意見ないし論評の自由が許されるという論理にしてあれもこれも意見ないし論評の表明という主張にしたのだと思います。

パトラとソクラは、東郷ゆう子氏の裁判での日本共産党が行った反論から、令和二年の自治体の判例変更は今回の政党の案件では射程ではないと主張することは予想しました。その上で、てっきり一般市民法秩序(民法の一般原則)から手続き的にも問題がないという主張すると思っていました。

しかし、前半はそのとおりでしたが、後半の予想ははずれ、手続きが適正であったという主張はいっさいありませんでした。
これは日本共産党弁護団が除名処分の手続きが「マズイ」と思った表れではないかと思います。

また、名誉毀損の訴えの反論では、「事実の摘示」ではなく「意見ないし論評」であるという力わざの歪曲を行っています。そして、松竹さんの訴状では、共産党が書いていないことを主張していると印象操作の論理構成でまとめています。
その上で、政党の自律権があるので、あれもこれも司法審査になじまないという論法です。

 

おお、これが日本共産党の弁護団の実力なのか?

それとも自由法曹団の精鋭を揃えても今回の裁判は荷が重いと言うことか?

日本共産党側の弁護団の自信の無さを感じる答弁書でした。

 

松竹さん勝てそうな気がします。