大谷翔平の年俸100億円は高すぎるのかで盛り上がりました。

メジャーリーグの収益から考えると、高くて当然という人もいる一方で、日本が社会主義になっても野球は楽しみたいという人もいました。

 

では、社会主義国では、大谷翔平のような高すぎる年俸問題はどうなるのでしょうか?

 

そこで、パトラとソクラは、社会主義キューバで大谷翔平が野球をしたらどうなるのかという事例で考えてみました。

 

2013年以前のキューバでは、野球選手の年俸は国家によって厳しく制御されていました。

1959年のキューバ革命によって、キューバは徐々に社会主義の国家になり、プロ野球リーグは廃止され、選手たちは国営のアマチュアスポーツシステムの一部として活動することになりました。

その結果、野球選手の給与は他の一般的な職業とほとんど変わらない低い水準に設定されていました。
キューバの野球選手は、主に国内リーグである「セリエ・ナシオナル・デ・ベイスボル」でプレーしています。このリーグは、キューバ全土のチームが参加する最も重要な野球リーグです。

 

キューバ選手の年俸は、2013年の改革以前、非常に低く設定されており、一般的な労働者と変わらない水準でした。選手たちは、建設現場の労働者やバスドライバー、図書館員などと同様の給与を受け取っており、国外でプレイすることは禁止されていました。

なにしろキューバでは基本的にみんな公務員ですからね。

このため、多くの選手がより高い報酬を求めて国外に脱出し、メジャーリーグベースボール(MLB)でプレイする機会を追求することがありました。

 

 

 


この改革では、外国のクラブと契約する機会が与えられるなど、スポーツに関する規制が大幅に改革されました。

これにより、キューバの野球選手たちは給与上限が撤廃され、外国のクラブと契約する機会が与えられました。これは、選手が国外でより高い収入を得ることを可能にし、国内での才能の流出を防ぐための措置です。

また、キューバ野球連盟は、メジャーリーグベースボール(MLB)の組織と直接契約を結ぶことができる選手のグループを公開しており、これにより選手はマイナーリーグの契約を結び、サインボーナスを受け取ることができます。サインボーナスの25%はリリース料としてキューバ野球連盟に支払われます。

 

 

 

 

「セリエ・ナシオナル・デ・ベイスボル」の野球チームは、キューバ国内で運営されており、キューバ国家体育・体操・レクリエーション研究所(INDER)によって管理されています。このリーグは、キューバ革命の後にプロ野球リーグが廃止されたことを受けて設立されました。INDERは、キューバのスポーツ政策を担当する政府機関であり、国内のスポーツ活動全般を監督しています。

したがって、各チームは国営であり、プレイヤーは国家に雇用されている形となっています。これは、他国のプロスポーツリーグにおける民間企業や個人によるチーム所有とは異なる運営モデルです。キューバの野球チームは、地域社会や地方政府と密接に関連しており、地域のアイデンティティを反映しています。

 

社会主義国が野球チームでリーグを作るならこうなるのでしょう。

 

 

 

 

キューバ国内でプレーする野球選手の年俸は、改革前は月額約146米ドル(約3,500キューバペソ/約2万3000円)、年間で約1,764米ドル(約27万7000円)でした。改革後、給与の上限が撤廃され、経験豊富な選手は外国のクラブと契約することが可能になり、収入が大幅に増加しました。

 

 

 

2013年の改革後は給与の上限が撤廃され、経験豊富な選手は外国のクラブと契約することが可能になり、その結果、収入が大幅に増加しました。具体的な金額については、選手の経験や実績、市場価値によって異なりますが、公開されている情報によると、給与は以前に比べて最大20倍に増加したとされています。

 

つまり、27万7000円もらう人、その20倍の554万円もらう人も生まれたということでしょう。


アメリカのメジャーリーグベースボール(MLB)に移籍したキューバ出身の選手は、非常に高額な年俸を得ています。例えば、2024年の記事だと以下の選手たちの年俸は次の通りです:

Yoan Moncada – $24.8 M
José «Pito» Abreu – $19.5 M
Raisel Iglesias – $16.0 M
Luis Robert Jr. – $12.5 M
Yordan Álvarez – $10.8 M
Aroldis Chapman – $10.5 M
Lourdes Gurriel Jr. – $10.0 M
Jorge Soler – $10.0 M
Randy Arozarena – $8.1 M
Yandy Díaz – $8.0 M
Aledmys Díaz – $8.0 M
Adolis García – $4.75 M
Néstor Cortés Jr – $3.95 M
Yariel Rodríguez – $3.6 M
Yasmani Grandal – $2.5 M
Cionel Pérez – $1.2 M
Adrián Morejón – $850,000
Johan Oviedo – $770,000
Yennier Cano – $770,000
Andy Ibáñez – $770,000
Dairon Blanco – $743,000

 

24,800,000ドル、つまり37億円くらいの年俸でキューバから移籍する選手もいるのです。

 

大谷翔平が社会主義国キューバにいたら、通常の選手の20倍の554万円はもらっていたでしょう。

これは貧困国のキューバの相場なので、日本に置き換えるとこうなるということです。

 

もっと物価の高い日本の平均年収をみるとどうなるでしょうか?

 

日本の国家公務員の年収は667万円、地方公務員は664万円となっていす。

 

 

 

667万円の20倍となると、1億3340万円になります。

これが大谷翔平がキューバでもらえる限界です。

 

大谷の日本での最終年俸は、2億7000万円(推定)でした。

 

 

だから、日本の2分の1くらいだったことになります。

社会主義キューバでも大谷翔平くらいの選手なら、通常の20倍くらいの年収格差は許容するってことでしょう。

 

この20倍ってのが、労働者階級の国、平等を実現する国で許容できる経済格差なのかもしれません。

 

大谷翔平の年俸は、キューバでは20倍の格差。

日本では、その倍の40倍の格差。

アメリカに移ればそのさらに40倍、つまり1600倍の格差も許容されるってことです。

 

でも、いずれにしても、経済格差の激しい資本主義国・アメリカがある限り、大谷翔平はキューバからMLBに移籍して、年俸で100億円くらいの収入を得ることになるのでしょうね。