【特集】共産党・田村智子委員長に問う(澤田大樹×荻上チキ)というポッドキャストが公開されています。

 

 

 

これは党大会後、田村智子委員長が、自身の言動についてその正当性を述べている貴重なものだと思います。

 

ただし、番組の中の最後の数分のみです。

 

聞き手は、澤田大樹氏と荻上チキ氏。

 

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大山奈々子代議員への厳しい批判は、「真理に到達する道」

 

聞き手:一方で 共産党は創立100年の歴史も古い組織の政党だと思います。その中で 田村さんが 委員長になったのは一つ大きいことだと思うし、ジェンダー平等が進んでいる党であると思っている人もいるので。そういうなかで異論を言いにくい、異論をちょっと言ったら、それがパージされてしまう。除名になってしまうということがこの1年で起きています。党大会に先駆けて党員を名乗る人たちが記者会見を行っています。支部レベルも含めてセクハラなり、パワハラになりが、実はかなりあるんだが、それがむしろ消されるっていうのを記者会見で複数の党員が言っています。田村委員長が委員長になったことで、それを後押ししてほしいと言っていますが、それはどうなのか。田村委員長が異論を言った人に対して党大会の中でそれに異議を上げたこと、神奈川県の県議さんに対してかなり強い口調で言った。それはおかしいとおっしゃったということがかなりパワハラめいている。むしろ見ていた人たちは田村委員長には期待していたんだけれども。それにドンびいたという声を聞きますけど、それはどうでしょうか。

田村:そういう発言があるということで、むしろ異論を許しているからそういう発言があるんです。その発言をしたから処分をしたということはありません。だから党大会という場は、オープンな場でマスコミの皆さんにもフルオープンの場でやりました。そのなかでいわば、党の綱領や規約に関わって、これは理解がどうなのかという発言があった場合に、そこに対しては厳しい批判が必要だったというふうに私は思っています。今も確信しています。そうでないと私たちが今本当に世の中を変えていくときに時に団結してね、安保条約を廃棄させようとしてるのは大変なことなんだと思います。民主党政権が辺野古の沖縄基地建設を止めさせようとして、頓挫した。挫折せざるを得なくなった。それにはアメリカや日本の政府からのものすごい圧力があったと思います。今、日本を支配している側が一番根幹にして守ろうというものに対して、それを突き崩そうとする私たちに対して、それは相当な妨害しようとする動きが凄まじくあるだろうと思うんです。だから、私たちは団結が必要なのだと思うんです。そういう時に綱領や規約に対して、理解が十分でないところ、誤って理解するところにそれは誤ってますよということを率直に厳しく批判して、ぜひ考えてほしいという提起を私はしたということなんです、党大会の中で。党の中のどのレベルの議論でもできます。どんどん議論できます。それで批判を受けたら、やっぱり自分が発言したこと、自分の意見をね、もう一度よく考えて、いろんなことを学んで、そして議論していくということが、何て言うかな、その真理に到達していく、私たちにとってはなくてはならない道なんですよね。そういう道を辿っていく100年の歴史でした。


党内でのハラスメントへの対処は訴願に応じる

聞き手:いくつかのポイントがあります。田村さんは組織のトップになりました。そういう場で、オープンの場でしかも反論の機会がないなかで党員を批判したことに批判があります。それとむしろ大義に向かって進んでいるんだから、団結しなければいけないという言葉は、同時にそれはハラスメントなどを小異とされてしまう。ハラスメントが小異にされてしまうということに憤りを感じる人が、今ジェンダー政策やそういうところで注目しているという状況があるわけですね。それに対して大同で行こう話ではなく、適切に個別のハラスメントにどう向き合うのか、それはある種のロールモデルとして示してほしいのが田村委員長に求められているということなんです。安保の話だけではなく、個別のハラスメントしての対処が不十分でないかという声が記者会見でも述べられています。今ちょうどここに本がございまして、 日本共産党の改革を求めている有志の方が編集したしたあけび書房の本です。この本には会見の様子でまとめられています。こういった声について、これまでと違った形で答えるのかはどうでしょうか?

田村:ハラスメントは根絶しなくていけない。ハラスメントを許してはならないっていう規約があります。事実と規約に照らして、きちんと対処しなければいけないと徹底しているところなんですね。日本共産党がいろんな地域地域で起きた問題をそれぞれの地域の党の組織の中で解決できなかった問題は、中央委員会で訴願という形で上げることができるんですね。そのハラスメントを受けている人たちが体験する人たちが。体験された方々があげてらっしゃるのかどうなのかっていうことはわからないんですけれども。

聞き手:記者会見では個別のことは党中央に上げたとか国会議員にもあげたとおっしゃっています。一部には国会議員の田村さんに上げたということもありました。あと山添さん とかですね。

田村:えーと、自分の受けていたハラスメントですか。

聞き手:告発というか、その内容の改善を国会議員や党に求めるというものでした。

田村:そういうもので解決方向に向かっているものもありますね。訴願として上がってきたものに対して、私が直接聞いたかどうかは分かりませんが、そういう問題についてきちんと私たちの中のルートで訴願を担当する場所がちゃんとありますので、そこでもきちんと当事者から話を聞いて解決に向かわせている問題はたくさんあります。いや、たくさんじゃなくて現実にあります。だから、会見で言われていることが何のかという事実が分からない以上 コメントできないんですよ。

聞き手:これはこれで全ては出されているので、それのアンサーをされるというのが一個あると思います。多くの人が注目しているのはジェンダー平等などは人権について取り組んでくれる政党が実質、体質としてそういうものを実行してるのかどうか、期待と注目しているというのがあります。それと政党としてはこういう立てつけになっているという説明では、これまでの説明では十分かもしれませんけれども、党に新しく期待する人たちとか、外から政策協力する人たちについては、これまではこうだったということでは、ハラスメントの声を上げている人に対して答えてきれていないのではないかというこという疑問がわくのですね。それは改革を含めていかがでしょうか。

田村:それは党の中での改革、私たち、例えばそのハラスメントという問題で例えば中央委員会もそういう専門家の方々の学習会、あるいは弁護士の方、党員の弁護士の方もいらっしゃるので、その個別の問題に起きた時にこういう問題はどういう風に解決をすることが求められるでしょうかと、社会や一般企業でどういう解決をしているでしょうかということをいろんな場で研修やっています。個別の問題でも、誰って名前をあげるわけじゃないですけども、こういう問題はこういう食い違いが起きてるいんです、言ってることの食い違いが起きているんです、どうやって問題解決したらいいでしょうねということを本当に専門家のアドバイスを受けながらやっているんです。やっぱり、党の中で起きた問題を党が解決できないっていうことの方が私は問題だと思うんですよ。確かにそのセクハラもパワハラもなくしていこうと根絶を目指そうとする政党であるからこそ、どの党の地方組織であってもきちんと社会的な到達点を踏まえた解決ができなければだめだと思います。そこをはっきりさせて、今、自己改革をやっていこうということを全党で取り組んでいるんです。

 

 

共産党はハラスメントで弱点があると明確に述べている

聞き手:今ちょうど政治改革が必要なタイミングと各政党の体質を変える必要と、どの政党も党勢が縮小としていく中で、党勢拡大の課題それぞれがあるような状況だと思います。一方でこの党勢拡大っていう課題が党の体質を変えることが妨げになるところがある。なぜなら、例えばハラスメントなど問題が発覚するとマイナスになるから隠してしまうということもある。だからトップが変わった段階でこうやって変えていこうということ、メニュー立てているとか対話の場を設けるとか、これからの対策に求められていると思いますが、いかがでしょうか。

田村:私が委員長に選出された党大会決定の中でも、ハラスメントをなくすということで我が党で弱点があるということを大会決定のなかで明確に述べています。そこを改革できる党にならなければいけない。若い人であるとか、女性であるとか、経験がないとかで発言できないということがあってはならない。自分の役職の関係で言いにくい、いろんな指導がハラスメントが受け止められやすいこういう問題はあるんだということを自覚して、党内の民主的な話し合いというのをもっとできるようになっていかないとならないねと。本当に忌憚なく物が言い合える、同時にその批判は必要なんですよ。言いっぱなしで終わっていては問題解決にならないんですよ。

聞き手:こういった場をメディアも含めて対話していくということが必要だと思うので、田村さんこれからもぜひよろしくお願いします。

田村:あのひとつだけね。

聞き手:もう時間がないので、何か話したいことがあればまたぜひよろしくお願いします。

 

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文字に起こしてみると、聞いている印象とまた違う。

 

田村智子氏のやさしい声だけ聴いていると、知恵はないけど必死に弁解している女性として同情もしてしまう。

でも、文字にしてみるとどうだろうか?

 

田村氏はこう言っているのがわかる。

 

私は間違っていない。

反省するのは大山代議員であって党首の私ではない。

ハラスメントには個々に事実を明らかにして対処している。

そんなに言われなくても、われわれはハラスメントに弱点があると党大会の決議でも述べているのだ!

 

ハラスメントを受けた人の立場に立っている者の言葉ではない。

大会でのこともおよそ相手の立場など考えてもいない。

だから反省する余地などない。

 

「批判を受けたら、やっぱり自分が発言したこと、自分の意見をね、もう一度よく考えて、いろんなことを学んで、そして議論していくということが、何て言うかな、その真理に到達していく、私たちにとってはなくてはならない道なんですよね。そういう道を辿っていく100年の歴史でした」と田村氏は言った。

 

真理に到達する道。

 

マルクスもレーニンも論敵に対しては容赦なかった。

レーニンのカウツキー批判などはすさまじかった。

レーニンが論敵を罵る言葉もひどかった。

クズ、卑劣漢、おしゃべり屋、ユダ、人でなし、ブタ、犬、売春婦、白痴、マヌケ、腐った卵、こそ泥、獣など。

カウツキーに対しては「背教者カウツキー」という著書名のものまである。

 

まあ、第一次大戦のさなかで、革命が成就するかどうかの瀬戸際だったことを考えるとそういう相手のことを考えない罵り方もわからないでもない。

 

でも、今は21世紀で、ここは民主主義の日本だ。

ハラスメントは本人の意識も重要だが、権力関係のなかで起きることが前提だという理解が一般的にはある。

しかし、田村智子氏は辺野古の問題が挫折したことをここにもってきて、共産党の組織原則が正しいのだと言う。

 

また、今は、真理に到達する道について、マルクス的なものより、相互承認というヘーゲル的なもののほうが支持されている。

 

でも、田村智子氏にはこのこともわからないのだろう。

こういう人に何を言ってもダメなのがわかるインタビューだった。

体質改善をこの人に求めても無駄だ。

 

それがよくわかる番組だった。