自民党で裏金事件をめぐる処分が大詰めを迎えている。

その処分は党紀委員会が決めることになっている。

 

しかし、その詰めの調整があけすけに報道されている。

 

裏金事件を受け、派閥領袖(りょうしゅう)の二階氏は次期衆院選不出馬を表明した。党内では「大将が詰め腹を切ったのに、配下も責めを負うのはおかしい」(関係者)など、二階派への配慮を求める意見がある。執行部の一人も二階氏は自主的に政治責任を明らかにしたと指摘し、「安倍派と二階派では問題への対応が違う」と語った。
 武田氏と麻生氏はいずれも福岡県が地盤で、地方選などで摩擦を繰り返す因縁の関係。このため二階派内では処分案に「麻生氏の意図が働いているに違いない」との疑心が深まっている。実際、2日午後に国会内で党幹部が集まった際、麻生、茂木両氏だけは別室で待機。両氏が処分案を事前に擦り合わせていたのはほぼ明らかで、武田氏は周囲に「私怨(しえん)だ」と不快感を示した。
 安倍派元幹部で、5年間の還流総額が2728万円に上る萩生田光一前政調会長は「党の役職停止」にとどまる見通しのため、森山氏らは武田氏も同等の処分に引き下げるべきだと主張する。安倍派では、政治資金収支報告書への不記載が「過去5年間で500万円以上」とした基準により、中堅・若手の多くが処分を免れた。
 萩生田氏の処分案や、不記載額の線引きは茂木氏が主導した。関係議員の党内聴取や、政治倫理審査会開催の調整には関与せず、ここに来て活発な動きを見せる茂木氏の真意をいぶかる声も上がる。安倍派の閣僚経験者は「萩生田氏を守りたい森喜朗元首相の意向を茂木氏は理解している」と指摘。同派若手は「安倍派への配慮を示すことで、総裁選も見据え味方を増やしたいのだろう」とみている。

 

 

この報道がどこまで本当なのかわからないが、党員の処分がこんなに真剣に議論されているとは、自民党ってすごいところなんだと思う。

さすがに政権政党の党員として、権力を行使できないのは困るからだろう。

 

あんまり毎日報道されるので、自民党の処分に8段階あるのも基本知識として知ってしまった。

 

 

自民党の党規律規約は、所属国会議員への8段階の処分を定めているのだ。

必ずしも違法行為がなくても、政治的・道義的責任があると判断されれば処分対象となる。

重い順に①除名、②離党の勧告、③党員資格の停止、④選挙における非公認、⑤国会・政府の役職の辞任勧告、⑥党の役職停止、⑦戒告、⑧倫理憲章などの規定の順守の勧告――となっている。

この処分は党紀委員会が決定する。

 

今回は除名処分はないみたいだ。

 

自民党にとって除名はそれほど重いのだろう。

 

2005年の小泉純一郎首相時代の郵政民営化関連法案の採決での造反処分ではあ除名もあった。

法案に反対した59人が処分され、除名12人、離党勧告26人、党員資格の停止2人(1年間)、党の役職停止17人、戒告3人だった。

 

 

自民党の場合、処分をされると、どういう不都合があるのだろうか?

 

 Q 処分を受けると、どのような影響があるのか。

 A 除名されれば党籍を失う。離党勧告は「勧告」とはいえ、従わなければ除名処分とするのが通例だ。

 党員資格の停止は処分時に3か月~2年の期間が決められ、期間中は党籍がないのと同じ状態になる。総裁選への立候補や投票ができず、政党交付金も受け取れない。

 党員資格の停止と選挙における非公認は、いずれも選挙で党の公認候補になれない。無所属での出馬は、衆院選では小選挙区と比例選の重複立候補ができず、政見放送に出演できないなどの不利な点がある。

 

 党の役職停止は3か月~2年の期間が決められ、幹事長などの党四役のほか、様々な役職に就けなくなる。公認候補予定者となる選挙区支部長の地位は維持される。

 戒告は文書や口頭で注意するもので、党の記録には残るが、党員としての地位などの制限はない。

 

 

 

議員政党として大きくなってきた自民党と一般党員の活動に支えられている共産党との違いはある。

 

しかし、処分過程がここまでわかる自民党が、大きくなるのも理解できるような気がする。

 

いいことも悪いことも、わいわいがやがや民主主義って組織風土なんだろう。

もちろん、自民党のほうが共産党より悪いことをたくさんやっている事実はあるのだが。

 

 

郵政民営化採決で造反し、2005年9月に除名になった議員のうち、2006年12月4日に平沼以外の造反議員11人の復党が全会一致で認められた。

2015年10月には平沼赳夫も復党した。

 

自民党の除名問題って、除名されても出入り自由ってことですよね。

 

そのあたりが共産党と違います。