1月15日から18日まで開催される日本共産党大会。

今回は『シン・日本共産党宣言』を出版してから除名された松竹伸幸氏は処分の再審査を請求しているため、世間ではそれがどうなるのかという関心が強いようだ。

 

文春オンラインでは、松竹伸幸氏と佐藤優氏が対談をしている。

 

〈佐藤 松竹さんは、この1月に4年ぶりに開催される党大会での除名処分の撤回を求め、再審査請求をなさっていますね。

 松竹 再審査規定は規約に存在していますが、過去には一度も例がない。実際に党大会で議題にかけられるのかさえ分からない状況です。

 ただ、党大会を控え、知らない党員からも連絡が来ます。「党大会で松竹さんが復党しなかったら、離党するということを表明して代議員に立候補した」という方もいました〉

 

 
 
文春オンラインの対談のなかでは、志位委員長と松竹伸幸氏の安全保障に関する対立を話題にしているが、今回の党大会では志位委員長の去就を話題にしているメディアもある。
 
歴代最長の23年にわたり在任する志位和夫委員長(69)の交代の有無が最大の焦点で、田村智子政策委員長(58)が後任に就く可能性が浮上している。次期衆院選などに関する大会決議の内容にも注目が集まる。
「最高機関」と位置付ける党大会を目前に控えた共産党の現役党員ら7人が11日、東京都内で記者会見を開き、党員除名の撤回やハラスメント対策などを求めた。共産では上意下達を可能にすると批判される民主集中制が重んじられ、党員同士の横の連携も「分派活動」と見なされかねない。一般党員が公の場で執行部に意見具申することは極めて異例だ。
 

 

最近の日本共産党による除名処分の横行に対して異議を唱えているようだ。

ある党員は今の共産党をスターリン体制に例えている。

 

ある男性は、著書で党首公選制導入を訴えたジャーナリストの松竹伸幸氏の除名撤回を要求。「死刑宣告に等しい。共産と社会の断絶につながるのではないかと危惧している。少数派への抑圧ではないか。除名はやり過ぎだ」と述べた。

ある女性も松竹氏らへの処分が調査と時間を置かずに決まったと主張し、党大会での再審査を要求した。「むちゃくちゃな除名の仕方は一般党員に恐怖を与える。国民からの信頼も得られない。スターリンと同じではないかといわれてもしようがないような過程はよくない」と語った。

また、「私は機関紙『しんぶん赤旗』も配達しているし、(党に)お金も払っている。誠実に活動してきたのに松竹処分に批判を持ったということだけで『反党分子』呼ばわりされるのは解せない」とも述べた。

 

このyahoo!ニュースでは、『日本共産党』(中公新書)を執筆した政治学者の中北浩爾氏が解説している。

 

中北浩爾(政治学者/中央大学法学部教授)

共産党員(除籍者を含む)が7名で党指導部批判の記者会見を開くというのは、前代未聞。SNSで知り合ったようです。このネット時代、党指導部の党内コントロールが難しくなっていて、共産党の民主集中制の組織原則が時代遅れになっていることを如実に示しています。

顔出しして記者会見できないこと自体、共産党の民主集中制の異様さを示しています。党規約には「党内に派閥・分派はつくらない」「党の内部問題は、党内で解決する」と書かれています。ですから「複数人」で、かつ「党外」で記者会見することは、規約違反とみなされかねません。だから、顔出しできないのです。そんなブラック党則を持っていながら、立憲野党を自称しているのですから、矛盾以外の何物でもありません。

共産党は、自民党の「政治とカネ」の問題には舌鋒鋭く批判し、それを告発した『しんぶん赤旗』の調査能力は立派です。でも、自省することも必要ではないでしょうか。

 

 

 

 

今回の党員の反乱が珍しいのは、この7人がSNSで知り合って行動にまで起こした点だろう。

 

 登壇者は7人で、「日本共産党の全国大会へ、全党員と市民の注目を党員・有志から求める会」を名乗る。SNSを通じた情報交換を通じて記者会見の話が持ち上がったといい、7人が同じ場所にそろうのは初めてだ。「もし党中央にばれてしまったときに、最悪、処分される」として全員が匿名で発言した。6人が現役党員、1人が除籍された元党員だとしている。地域別は東日本から4名、西日本から3名。年齢は40~70代と幅広い。地方議員や専従活動家だった人もいるという。

 

 

 

民主集中制というのは官僚主義組織的原則なのだが、それは中北浩爾氏が、SNS時代には時代遅れ、時代錯誤と言っているように、あらためてわかったのが今回の党員たちの会見だろう。

 

さて、日本共産党はこういう世間の関心にどう答えるのだろうか?

 

いや、答えないのかもしれない。