鈴木元氏がYouTubeで、民主集中制は外国から持ち込まれたものではないという日本共産党の第29回都大会議案を批判している。

 

党大会決議案にはこう書いてある。

 

 わが党の民主集中制の原則は、外国から持ち込まれたものでなく、100年余の自らの歴史と経験を踏まえて築かれたものである。旧ソ連・スターリンによる干渉によって、党の分裂という危機に至った「50年問題」、旧ソ連、中国(毛沢東派)の覇権主義による激しい干渉との闘争で、わが党は民主集中制を党の生死にかかわる原則として打ち立て、全党の血肉にしていった。この原則なしには、今日の党は影も形もなかっただろう。わが党は、これからもこの原則をしっかり堅持し、発展させる。

 

 

 

共産党の主張は、民主集中制は持ち込まれたものではなく、「50年問題」でこの原則を作ったのだということだ。

 

 

しかし、鈴木氏は、この報告をした田村智子副委員長を「珍説」提唱者として、事実はこうだと批判している。

 

1922年に日本共産党が創立されたときにはコミンテルンの日本支部として出来ました。

1920年7月第2回共産主義インタナショナル(コミンテルン)大会は、国際共産主義運動にヨーロッパ各国の社会民主党の中間派や無政府主義者が入るのを防ぐ目的で、加盟条件21ヶ条を決定し、そこには、「第12」として「共産主義インタナショナルに所属する党は、民主主義的『中央集権制』の原則にもとづいて建設されなければならない」と書かれていました。

 

では、日本共産党はなぜウィキペディアで調べれば分かるようなこんな簡単なウソを付くのだろうか?

 

大会決議案にはこうも書かれている。

 

わが党を「異論を許さない党」「閉鎖的」などと事実をゆがめて描き、民主集中制の放棄、あるいはこの原則を弱めることを求める議論がある。しかし、党の外から党を攻撃する行為は規約違反になるが、党内で規約にのっとって自由に意見をのべる権利はすべての党員に保障されている。異論をもっていることを理由に組織的に排除することは、規約で厳しく禁止されている。党のすべての指導機関は、自由で民主的な選挙をつうじて選出されている。これらの党規約がさだめた民主的ルールは、日々の党運営において厳格に実行されている。わが党が民主集中制を放棄することを喜ぶのはいったい誰か。わが党を封じ込め、つぶそうとしている支配勢力にほかならない。わが党は、党を解体に導くこのような議論をきっぱりと拒否する。

 同時に、わが党は、民主集中制を、現代にふさわしい形で発展させることを追求する。この間、とりくんできた、双方向・循環型の党運営は、草の根で国民と結びついた党組織の自発的創意と、中央委員会・各級党機関の積極的イニシアチブを、相互に発揮しあい、交流し、学びあいながら前途をひらくものであり、この努力をさらに豊かに発展させていく。統一した方針のもとに団結しながら、党員一人ひとりの個性や多様性、条件を尊重し、大切にしていくことも、さらに重視しなければならない。ジェンダー平等とハラスメント根絶のための自己改革にとりくんできたが、この点でもわが党のなかになお存在している弱点を克服し、国民多数から信頼される党に成長していくために、あらゆる努力を重ねていく決意である。

 

要するに民主集中制は党外から攻撃されている、それは「わが党が民主集中制を放棄することを喜ぶのは支配勢力にほかならない」からだと言いたいのだ。

 

でも、それなら「外国から持ち込まれたものではない」なんてウソを付く必要はない。外国から持ち込まれたものですけど、安全です、と言えばいいだけなのだ。

 

もしかするとこの文章を書いたのが田村智子副委員長だとしたら、民主集中制が外国から持ち込まれたものだと言えば、共産党自体が外国から持ち込まれたものだということがバレルとでも思ったのだろうか?

 

つまり、外来種は危険だということだ。

 

確かに琵琶湖ではこの約半世紀で、北米原産のオオクチバス(通称ブラックバス)やブルーギルといった侵略的外来魚の侵入により、多くの在来生物が激減し、独自の生態系にひずみが生じてしまった。

 

 

 

強い繁殖力から琵琶湖の生態系を脅かす外来魚のブラックバスの成魚を一部水域で駆除したところ、ブラックバスの稚魚が急増したことが、滋賀県水産試験場の調査で分かった。他の魚だけでなく、ブラックバスの稚魚まで食べてしまう成魚という天敵の減少が稚魚の繁殖を招いているとみられる。県はこれまで成魚を中心に駆除を進めてきたが、繁殖を防ぐには稚魚ごと駆除する必要があるとして対策を研究している。

 

 

 

 

民主集中制は外来種だと認めれば、共産党自体がコミンテルンの日本支部として創立されたことがバレてしまう。それは琵琶湖のブラックバスやブルーギルを連想させてしまう。だからここは外来種じゃないことにしておこう。

 

そういう涙ぐましい理屈を田村副委員長は考えたのではないか?

 

しかし、外来魚の脅威はこういう問題もある。

 

自然界に存在しないはずの魚が、鹿児島湾で相次ぎ目撃されている。専門家によると、高級魚のクエと、世界最大級のハタとして知られるタマカイを人工的に掛け合わせて誕生した交雑魚だ。養殖場から逃げ出した可能性が高いと考えられるが、詳細は分かっていない。自然繁殖する可能性も否定できず、専門家は生態系への影響を危惧する。

 

 

つまり、外来魚を交配で交雑魚を作っている養殖所もあるし、自然繁殖する可能性も否定できないということだ。

 

共産党と民主集中制はコミンテルンによって、持ち込まれたのは事実だ。

日本共産党によると、それはすでに交雑種になっているということなのだ。

日本で生き延びられるように政党も政党原則も変わったのだ。

 

日本共産党によるとそれは「双方向・循環型の党運営」なのだそうだ。

 

そうなら早いとこ、民主集中制の名前を変えたらどうなのだろうか?

ついでに日本共産党という名前もいっしょに変えるべきだろう。

 

ブラックバスは琵琶湖で釣ったらリリースしてはいけないことになっている。

駆除対象なのだ。

 

 

こういう回収BOXまで置かれている。

 

しかし、まあ、民主集中制をうんぬんする共産党が残っているのは資本主義国では日本くらいだろう。

28万人も党員がいる国は社会主義国以外にはない。

 

でもそれは外来種かどうかの問題というより、レーニンやコミンテルンという外来種であることの影響をまったく払拭できていないという問題があるだろう。

スターリン主義を批判しながら、実態は党運営がスターリン主義であることや、プロレタリア独裁を否定しながら、プロレタリア国家とは何か自体を東欧やソ連の経験にも学んでいないのだ。

 

双方向・循環型とかいう言葉でごまかす前に、今回の党内少数派への対応を真剣に考えるべきなのが党原則、党運営の課題だろう。