友達って言うのは  男性  です。

 

もう20年前からの友達で、一度は「大好き」だったけど、どうしようもないよね

 

私も彼もお互いに別に結婚していて。

 

今は近況を報告し合うだけの友達。

 

彼が東京に単身赴任している間に奥さんがもう嫌いになっちゃったらしくて

 

裁判やなんやら、ドロドロの家庭内別居というか、、

そんな状態のとき、お母さんの癌が発症。

 

彼は一人で病院のこと、色々な手続き、付き添いとかで、土曜日曜はずっと病院に

 

詰めている状態で、メールで色々聞いてきます。

 

「今  お袋がこんな状態なんだけど、どうなんだろう?」とか、お

 

介護保健を利用して、少し自分の負担を軽減したいんだけど、どうしたら良い?」

 

とか、、私も出来る限り調べてメールで返事してきました。

 

私がのこのこ、お見舞いに行ったら、迷惑かけるかな、、、

 

そんな風に思って今までお見舞いも行けなかった。。

 

一度、「奥さんは手伝ってくれないの?そんなに会社休んだら、クビになっちゃわない?」といったことがあります。

 

「いいんやと、戸籍が入っているからって世話する法律は無いんだと」

 

そう言いました。そうか、、、もう修復できないんだね、、夫婦関係は。

 

「明日、母の日やよ、カーネーション、もってってあげやー」とメールしました。お

 

「今日、買いに行けんかった」と夜中のメール入ってました。

 

 

朝、もう一刻の猶予もない、、、そう4時半に起きたらそんな声がして、、

 

 

 

すぐに飛び起きて、「カーネーション、もっていくわ」

 

朝早くなら、誰にも見られないし、病院の受け付けに預けておくから

 

お母さんに渡してあげて、、待っているから」

 

そうメールしてその1時間半後には病院の駐車場にいました。

 

今日じゃあなきゃだめなの、、、しんじゃってからどんなに綺麗にお化粧したって

 

ダメなの。生きているうちにカーネーションをあげなきゃダメなのよ

 

そう心の中の誰かがそう言っているようで、その言葉のまま、私が此処にいるって感じです。

 

彼が来て、「最後やと思うから顔見てく?」

 

私は病室に入ると、お母さんの手の上に手を乗せていました。

 

目は片方、あいたまま、目を見ると、もう瞳孔は動いてません。

 

 

「あー亡くなってる人の目、、、」そう思いました。

 

急に息が荒くなり、彼が私をベッドから離しました。

 

「人の気配がわかったんだよ、だから息が荒くなって、、」

 

何か呻くような呼ぶような嗚咽のような声が聞こえました

 

「行ってやって、、お母さん、呼んでいるんだよ、待ってたんやに」

 

 

私はカーネーションを彼に持たせると、其れを耳の近くまで持って行って

 

「ばあちゃん、カーネーション持って来たでな、今日は母の日やからな」

 

そう言って目の近くに花束を見せます。

 

私は仕切りのカーテンの後ろでその光景を見ながら泣けてきました。

 

私の未来の姿をそこに見たのかもしれないし、消えそうな命で、息子が来るのを

 

待っている母の姿を見たからか、なんでかわからず泣けて来て、、、

 

「私  一人で帰れるから、もういくね」と言って部屋を退室しました。

 

帰りにメールで「今日はありがとう、殺風景な病室が急に華やかになったよ

 

今まで泣かないでおこうとずっと頑張って来たけど、明子の帰る後ろ姿絵見たら泣けて来た」

そんなメールでした。

私は、すごい不謹慎かもしれないけど

 

「もし出来ることなら最期のお化粧は私に任せてくれへん?日本一の納棺師が今までで一番綺麗にするから。」

 

まあ、私には頼まないかもしれないな、、、

 

私が感情的になって取り乱したら、きっと迷惑かけるもんな、、