S2年生まれの利用者さんの事です。

今、夜勤中なんで、ほんの先ほどのことです。

Mさん、と名前をつけさせていただきます。

今日、退苑されるのですが、

約1ヶ月程、このショートステイにいらっしゃいました。

NCなってお部屋に行きます。

「失礼しまーす、Mさん、どうされました?」

「さっきまで話をしていた女性はどこに行った?」

「彼女は休憩時間なんで、今はいません。私で良かったら話を聞きますが」

「そうか、、、じゃあ、彼女に伝えてもらえないかな、、、僕は特攻隊だったんだ、、

魚雷を積んで、敵の潜水艦に体当たりして、110人の命が海に消えていった、


その話を、ここの男性職員にしたんだ。それは、110人の命の尊さをわかってもらいたくて


話したのに、その職員は、それから僕を見ると「特攻隊のMさん」と言い出す始末だ。


僕はそんな風に言われたくて、その話をしたんじゃあないのに、、、110人の命を汚されたようで


その事を彼女にわかってもらいたくて、話をしている途中にいなくなってしまったから、、、


まあ、いいや、君に話すから、彼女に伝えておくれ」

「わかりました。Mさんは、110人の霊を慰めるために今までいきていらっしゃったんですね。

辛かったでしょうね、、」

「そう、自分もその時に死んでいれば良かったのに、死ねなかったから、死んでいった仲間の


ところにもうすぐいけるんだが、、、今まで生きている意味をずっと探しながら、、


俺にできることは、死んでいった仲間の供養をすることしかない、、、そう言い聞かせて


生きてきた、、、もう少しでそのお役目も果たせるんだが、、、若い者は、そんな俺たちの気持ち


がわからないんだよな、、」


「わかりますよ、、もう充分供養されたとおもいます。


きっと110人の霊も喜んでいらっしゃるんじゃあないでしょうか、、」


そんな会話をしました。


Mさんの気持ちを少しでも慰めてあげれただろうか、、、、