今日の施行で亡くなられた故人様の娘さん。


きっと私の年くらいかな~?


いやいや、息子さんが20代だから私より若いか。。。


私が故人様のカーラーを巻いていると


「こんなふうにするの始めて見ましたけど、どこの会社でもこうやってするのでしょうか?」


「え?髪の毛をセットすることを言ってらっしゃるのですか?」


「はい。色々、亡くなられた方を送ってきましたが、髪の毛までセットしたことは見たことがなくて、、、」


「そうなんですか?   私が前に勤めていたところも、忙しい所で時間内に終わらなければいけなくて


ああしたい、こうしたい、と思うことがあっても中々自由にやらせてもらえませんでした。


独立してからは、時間に終われることもなく、やりたいことが自由にやれますから」


「それでなんですね。」


そんな会話を髪の毛を巻きながら話しました。


ほんと、1時間半の中でできる限り思いっきり故人様と向き合える。


満足した仕事ができる。


本当に幸せを感じています。


担当者も、「みんな喜んでいたーありがとう」と私の仕事を認めてくれているので


信頼して助けてくれます。



一昨日の施行では、2日にわたって1日目はお布団安置まで。2日目はご納棺に行ったわけですが


お口が空いていましたので、1日目は顎に支えをして「これで様子を見て、もし駄目ならまた相談させていただきます」


そう言って帰ってきました。


接着でお口をお閉じさせて頂くことを、言えない雰囲気かな?と、ちょっといつもの強気でいけない


雰囲気でした。


せっかくスーツ、ネクタイをしているのに、支えをすることによって隠れてしまいます。


何故、接着を切り出せなかったか?


担当者からの最初に聞いていたことが気になっていたからでした。


スーツを着せたい、でも身体は傾けたりしたくない、、、それがひっかかっていたのでした。


奥様は下着も用意していらっしゃいました。


「私はね、旦那に、パンツだけはいいものをはかせていたんだわ」


そういってだしていらっしゃったのは、ピンクのシルクのトランクスでした。


2日目の出かける直前。


どこかから声がしてきました。

顔周りと納棺飾りにピンクをつかってって。


そうか、、ピンクか、、、


急いで、女性用の納棺飾りからピンクを取り出し、男性用納棺飾りの中にいれました。


納棺されたあと、


「ご相談なんですが、お顔周りにこういったものを飾らせていただきますが、ブルーとピンクの


どちらにしましょうか?」


奥様はすかさず、「パンツもピンクはいとるからピンクにしよか」


そうおっしゃいました。


「私もそう思いました」そういいますと、みんながドッと笑いました。


奥様が「こんな笑える納棺もいいじゃない?最期は笑ってお別れがいいよね」


そういって故人様の顔を撫でていらっしゃいました。


お口の接着もお許しが出て、ネクタイもバッチリ見えるし、、、、


「素敵なスーツがみなさまによく見ていただけますように、お布団は低めにかけさせていただきます」


そう言ってお布団を胸辺りまでさげてかけました。


今日の施行終わって事務所に挨拶にいきますと、その時の担当者がいました。


「Sさん、お口が開くことはなかったですか?」


「おう、空かなかったよ、みんな喜んでいたよ。ありがとう」


1つ1つの施行が担当者と信頼が結ばれていくのだと感じました。


一生の仕事としていく。


全部の御遺族の方に満足していただけるような心込めた仕事をしていきます。