父から電話がありました。
「精神病認定証の再交付の写真をとりたいんだが、どうも化粧が上手くしてやれなくてな、、
どうしても眉毛がうまくかけないんだ、、来てお母さんに化粧をしてくれないか?」
という内容でした。
というわけで、昨日、夜勤明けに実家に行って来ました。
眉毛を描いていると、父が「お母さんの顔は長細いから、もう少し丸い眉毛をかいてほしいんだ、、おんまりいうとなんだけど、、、」
「こんな感じ?」
「そう、そう」

最初、母の眉毛の形に沿って描くと、こんなに丸く描くのはへんじゃない?
と思いながらも、死化粧をしているとき、眉毛の形は出来るだけ、丸く描いていることを
思い出しました。
観音様の顔を思い出しながら、死化粧をしていますが、お家の方には
「眉毛の形に沿ってかくと、少しキツいお顔になるような気がしましたので、
優しいお顔に見えるように、まあるくかかせていただきましたが、どうでしょうか?」
と聞きますと
「あら、お母さん優しい顔になってよかったね」
とおっしゃいます。

そんなことを思い出しながら、お父さんがそれでいいというならこれでいいんだわ、、

左右が同じ感じになるように描き、父は化粧が終わって母をみて、とても嬉しそうに

「お母ちゃん、綺麗になったなー」と言いながら、写真を何枚か撮りました。

「この眉毛の形をよく覚えておいて、描いてあげたら」

そう言ってアイブロウをテーブルにおいておきました。

この前、母の目から涙が出ていました。ご飯を食べさせていた時です。
「あら、お母さん、涙が出てるよ」
そう言って、頬につたう涙を指で拭いましたが、また出てきます。
声を出してないているのではなく、涙だけでているのです。

その前に私が父をしかっていたのです。

父の着ている服が汗臭かったので、毎日同じ服をきないで、清潔にして欲しかったから
キツイことをいいました。
「去年着ていた服、ちゃんと出しているの?来るたびに同じ服をきてるわよ」
「夏服が何枚あるか、みさせてもらうわね」
とズケズケと父と母の部屋に入って引き出しを開けてみました。

母の服は、来るたびに、「これきせてやって」とおいていきますが、父の服はなかなか
買えません。

母はきっと自分が父の世話を出来ないこと、泣けてきたのかも、、
認知症って、全く何も考えれないわけじゃあないと思うのです。

父を叱ったことが母の涙の原因だったら、ごめんね、、、

介護度5の母を介護している父に対して何も出来ない自分をしかっているのです。

でも、私には、今、父と母のことを思いやっていられない現実があります。

生活もある。
自分の夢も追いたい、
それなのに、父は「来てくれ」といい、

行けば、何かご馳走を買っていかなければ、、、何かお土産をみっていかなければ、、、

帰りには「ありがとう、すまんな」

そういう父。

私は、余裕のある生活を送っていると思っているのかしら、、、、

いっそのこと、私のことはいないものとして頼らないでいてほしい、、、

そうおもったりもします。

でも、もし、父母が、この世からいなくなった時、後悔するかもしれない、、

そう思い、昨日も、やりきれない気持ちで下道をトコトコ走って帰ってきました。

自分がもっと働いて収入があれば、こんなこと思わなくていいのだろうけどね、

納棺の仕事、先月は先々月より激減。

もう一つ、夜勤専従の仕事を増やそうかな、、、

でも、身体がついていかないのよね、、、