2週間ほど前、リサイクルショップのゴミ置き場に、お雛様とお内裏様がちょこんと座っておられました。
私は、思わず「こんなところに、供養してあげるか、飾ってあげるかしないと、、」と責任感?いつものおせっかいで、手にとってお顔を見ると
とても美しく、気品に満ちているのです。衣装もりっぱで、お内裏様も綺麗なお顔。
その下に2箱のダンボールがあって、中にお雛様の花嫁道具や、右大臣、左大臣、3人官女、五人囃子、御駕籠、御所車、そして、このお雛様の持ち主の名前「洋子ちゃん 初節句」と書いたオルゴール。
「これはちょっとなんとかしないとね~~」
と、ちょっとひっかかりました。
車に入れて、「まあ、私のお雛様はあの男性の家に置いたまま、取りにもいけず、無いものと考えて、この子たちを私のお雛様にしようかな~~」と考えた時、偶然にも(偶然じゃあないかも)その男性からメールで「お雛様は返す、取りに来て」とありました。
次の日「玄関先においておいたから持っていってください」とメールがあり、すぐに引き取りにいきました。
私のお雛様が、「私達を見捨てないで」と訴えたのかもしれません。
それから、拾ったお雛様をどうしようか、占いの先生に電話で伺いました。「えー!お雛様をひろった?供養して、手放すことを進めます」
「そうですね、じゃあ、明日、葬儀会館の人形供養祭があるので、そこに持っていきます」
ところが、1時間後、先生から電話がありました。
「なんか、すごく気になったものですから、電話を切った後、何か手放さなくてもいいかも、、、と思えて、、
一度、お雛様を見せていただけますか?」
「はい、では明日伺って、先生が処分したほうが良いと判断されたら、供養に持っていきます」
そして、次の日、先生にお雛様、お内裏様を見てもらい、他のダンボールもすべて先生のアトリエに持ち込み、見てもらいました。
「とてもよいお顔で、何か悪いものを感じないので、心配ないと思います。お雛様たちも、もう少し、供養されないで、明子さんのところで、お役に立ちたいと思っているようです。
このオルゴールだけ、供養に持っていき、その後は、このお雛様たちは自由の身になれますから、そのあと、明子さんが自由に飾ってあげればいいかと思います。
とてもこのお雛様にはエロチックな感じがしますから、たとえば、お雛様とお内裏さまを向き合わせて、おちんちんの形をおいてみるとか、
お雛様飾りはこうでなければいけない、という観念を棄てて、思うままに飾ってみてはどうでしょうか?
私は少しびっくりしましたが、「そうですね、やってみます」
私は働かなくてもよい状態なら何をしたいか?と先生に問われ、
「大きな立派な古民家に住んで、自由に部屋を作ってみたいです。
昔からの家具、着物、藍染の雪花模様のおむつ、それらを自由に飾って、身に来た人をおもてなしする、とか、」
「そういう人いますよ、空間アートっていうのですが、草間やよいさんという方がその先駆者です」
「先生、それはまあ、夢のまた夢で、叶えられなくても仕方ないのですが、納棺のことですが、、、」
と、たった一軒の葬儀社からしか仕事をもらえないこと、そこも社長の気持ち一つで呼んでいただける感じで、今月も6件いただいたあと、止まってしまいました。
何故、続けてもらえないのでしょうか?」
「葬儀自体がないのではないですか?」
「ええ、でも、6件続けていただいているので、そのあとも葬儀はあると思うのです。
先生、私は自分の技術は良いとおもっていますし先生はおかしいと思うかもしれませんが、自分は日本一の化粧師と思っているのです。」
「日本一とは、エステシャンとして?」
「いえ、死化粧です。とても綺麗にする、ということではなく、その人の生前のお顔に近づけるということです。それにはお家の方の協力が必要ですし、思い上がった勝手な化粧では自己満足だけですから、誰もがうなづいてくれるような仕事を全人全霊で仕上げる、ということが日本一だと思ってやっているのです。それは、その社長も認めてくれていると思っているのです。」
「それだけ自信があるのなら、もっと自分をアピールすることを考えたらどうですか?彼方の腕を認めるには、それだけの器量がいるんですよ、もっと明子さんの腕を認めてくれるところがあると思います。
化粧、納棺のカリスマになったらいいじゃないですか」
「私は奇麗事いっているようですが、メディアとかを上手に利用して、自分をカリスマ納棺師と言っていた社長を知っているので、そうはなりたくないのです」
「どんな仕事でもそうですよ!金、金と言っていてもお金は入ってきません。技術を提供して最高の仕事をした人にお金がついてくるのです。」
それでも、なんだか営業に行けないってなんでかな~~~?
先生の言われるお雛様飾りやってみました。