雪・花・鬼・・・ | 櫻月

櫻月

浮遊する心の覚書

昨日は、1日池袋で観劇

劇団ZAPPA 『鬼 ONI』 (紅組)(碧組)

千穐楽でございました

えっと、最初に断っておきますが
紅組2回、碧組4回と観ている回数が異なること
ご贔屓の役者さんがみんな碧組で本役だったこともあり
どうしても、碧組に比重が・・・

まずはマチネ 紅組

11:30開演という
朝公演じゃないの?という出演者の声に
大きくうなづきながら、休日としては
ちょっと早起きで劇場に向かう

整理券をゲットして開場までロビーで待つ間
場内から聞こえる音楽、SE、と返しの声に
その場面を思い浮かべる
不思議とちゃんと紅組のメンバーで
思い浮かべている
 
楽屋から漏れ聞こえる声にも
あ~、この声は・・・この台詞はと
始まる前からすっかり、鬼色に染まってました

紅組で私が印象的なのは
なんといってもタダ

静かで穏やかで
今まで多くの人と接してきたことはないのに
人に対する観察眼が鋭い
医者というよりは研究者っぽい雰囲気が強い
  あくまでも纏う雰囲気がね

外科手術を行うときも
ことさら特別なことを行う様ではなく
まるで、風邪の患者を診るがごとく
医療を当たり前のように行う
医の申し子のようなタダ

父シーボルトが好きだった
おたくさんの花=紫陽花の花
あの花のような涼やかさを感じた

死を迎えても
なんだかあのみんなのもとに
そっと付き添っているような
そんな優しさを感じさせるタダでした

あとは、本役ではないのだけど
彦根藩の二刀流の剣豪
劇中では誰とは言われていないのだけど
桜田門外の変、彦根藩の剣豪で二刀流といえば
おそらく河西忠左衛門でしょう

この河西のというか演ずる片柳さんの
殺陣がね、好みなんですよ私
  碧組の本役では裕之進を演じていらっしゃいます
刀の軌跡とか捌き方とかね
見せ場ではあるのだけど、思わずにんまりしちゃいます

なんだかあっという間に
マチネは終わってしまった

碧組とははっきりと違う演出部分もあり
あ~、紅組はそうなんだと・・・
何しろ紅組観るのは2回目だったから
こちらの組でも変更になっていると思ってたのだ
でも、紅組はこの演出というのも納得
  って、どこ?と思ってるよね
  日下部裕之進が亡くなるシーンでの
  有村治左衛門とのやり取りですな
  といっても碧組も途中から変わったらしいのだけどね



ソワレまでの間に腹ごしらえ
池袋、色々できたねぇ
劇場の地下入口横にカフェができたのはありがたい
  ここのパン、結構うましっ!
エクセルまで戻っても、あそこかなり混んでるのよね

のんびりというか、完全に勘違い・・・
開場時間少し前に行ったんだけど
入口まで来て、うきゃ~
受付時間をすっかり間違えてた
お気に入りの席~~~しょぼん

が、ここで舞台の神様憑いてるぞ!発揮(笑)
ここで!と思っていた席をちゃんとゲットだ
紅組とほぼ同じ席(1つずれただけ)なんだけどね

大楽 ソワレは碧組

ソワレも開場までの間に
ロビーで色々な声を聴いていました
ステージに向かう前の「おーっ!」という掛け声は
こちらも気合が入る
入りすぎて、空回りしないようにしなきゃ

さて、どこから書こうか・・・
頭の中で、色んなシーンが交錯しているので
思いついたままね・・・

回を重ねるごとに自分が入り込めたのが
疱瘡兄妹、元とさちの最期のシーン
これ観たさに、あの席にしたといっても過言ではないです

もう、ずるいよ(笑)元兄ちゃん
さちおぶって、すーっと涙流されたら
もう、こっちも泣くしかないじゃないか
あのシーンで、色々なしがらみから開放される
穏やかな元に変化する
それが観たくてね・・・

診療所で捕まり、手負いの野獣のようだったさち
鬼と蔑まれ、心まで鬼になりかかっていた彼女が
だまされてもいいからと、初めて他人を信じ
「きれいになりたい!」と願い
誰よりも信じている兄の手を振りほどく

そのさちの一言を受けての
あの最期のシーンでの元の「きれいになったな」
ごく自然に、ふんわりと放たれた一言は
何よりも元の心を写していたように思う

話は前後するのだが
偶然なのか意図的なのかはわからないが
この少し前、さちの幻影をみる前に
力尽きて一歩も歩けなくなったところで
静かに狐の面が、さちの手から落ちた
それがなんとも哀しかった


人としての道を教えられたのが
タダ、春山、花をはじめとする診療所のみんな

もう、タダはほんとにこうあるべきという
姿を見せ付けられたように思う
医者として、人として・・・
いいものはいい、悪いものは悪い
それがはっきりしている
建前とかないものね

普段はほんわかしていて、天然なところもあるのに
いざとなると、すっと医者の顔になる
そのコントラストにハッとなる

南さんが演ずる役として、いままで
あまり拝見したことのない役だけに
ほぉ、と思う部分がかなりあったなぁ
  小五郎が近いとは思うけど
  あとは、土方に相楽だもんなぁ
  付いていかせて下さい!のタイプの
  イメージが強いからね

春山先生は、やはり医者として
あるべき姿なんだよね
  って、いま、私、医者じゃないからね
  過去にちょっと医療関係ってだけだから
ほんと、頭が下がる思い
そして、花さんに寄せる愛情や
みんなを受け入れる懐大きさと深さに
安心感を覚えるんだよね

壮絶な種痘所焼き討ちのシーン
花さんとの絆を感じさせる
あのシーンは、思わずこちらが手を伸ばしたくなる

実は亡霊だった花さん
初めて観た時は、途中までわからないから
なんか違和感というか、おかしいぞと
わかった途端、ぱーっと色々なことが繋がってね

彼女の行動は、本当に賞賛に値するもので
疱瘡のあとがあるにもかかわらず
素顔で、何事もなかったかのように普通に生きるって
並大抵のことじゃないと思う
でも、それを大変なことと受け止めないことに
彼女の強さがあると思う

私自身はそこまで、強くなかったなぁ・・・
もちろん疱瘡にはかかってないけど
アトピーがひどくてね
思春期、首から上はボロボロの血だらけの肌で
それこそ時々首に包帯まいてたもの
さほど気にしていたつもりはないのだけど
気分はどこかやはりダウンだったもの

そして春山、玄朴、鼎哉の3人の絆も素敵だ
新たに種痘所を建てているときのあの3人
そして花さん
あの関係が、あの笑顔がいつまでも続いたらなぁと
そう願わずにはいられなかった

イネちゃんには
自分自身の環境的に似たところもあり
とても素直にその気持ちを受け止められた
  まぁ、私の場合はどちらかというと
  親への劣等感の方が強かったので
  微妙に違うんだけど
タダを抱きかかえての絶叫は
何ものにもとらわれない、心の叫び
それが心に沁みた

診療所といえばおくまさん
もう、何度ほっとさせられたか
その笑顔と存在に癒され助けられたか
あ~んど、何度おなかがなりそうになったか(爆)
えっと、私も1膳おかわりなしなのかなぁ(笑)

そうだ、千穐楽だけイネちゃんを殴ってないのよね
千穐楽バージョンだったんだよなぁ
そんなところも小粋で大好きさドキドキ


一緒に戦いたかったのが裕之進、律、治左衛門
律さんには、色々な部分で想いを重ねて観てしまった
ひたむきさ、健気さ、優しさ、想いの深さ・・・
重ねるというより、素直なその感情が羨ましくて
  遠い昔には、自分にもあったのかなぁ
  なんて思ったりしてね
時に、兄である裕之進の気分でも観てたかもしれない
あぁ、やっぱり武道、やろうかなぁ
  弓道、再開すべきか・・・
  あるいは、散々言っている殺陣を始めるべきか・・・
  その前に、時間作らないと・・・
  あ~、まずは紺袴、実家から取ってこよう
  家の中で着物でいるなら、袴だっていいもんね

裕之進さんは、いい兄上だなぁ
父 伊佐治の下に駆けつけ
「道を作れ!」と突き飛ばされ
その場を後にするときの、あの表情がなんともね
  あ~、その前に襖の間から見える殺陣に釘付け

裕之進から治左衛門に思いが繋がれたあのシーンも印象的
中居に刺され、診療所に運び込まれ
そこで死んでしまったと思っていた治左衛門に会え
中居の裏切り、律の襲撃参加を告げるのだけど・・・

もう、反則だよ!と思ってしまった
裕之進の赤鞘の刀・・・
治左衛門に託すんだもの
  ここが、紅組と演出がちがうんだけどね
  途中から碧組は変更になったらしい
思わず、うわ~ん
わかっているんだけど、うわ~ん

さらに、初めてこの演出を観たときに
予感はあったし、事実そうだったし
もう頭ではわかっているんだけどね

律さんを人質にとって
中居が襲撃を阻止しようとしたところへ
客席後方から治左衛門登場のシーンで
赤鞘の刀、裕之進の刀さしてくるんだもん
しかも、その刀で中居を斬り
井伊へ襲撃をかけるんだもん

裕之進さんも一緒に行ったんだなぁって
感無量でしたわ

そして、その治左衛門
まったく、もう、こんなにやられるとは思わなかったわよ
惚れたもん恋の矢(爆)
瓦版屋さんの口上にもあったけど、ほんとに属性 火の男ですわ
この男、いい意味で振り返らないんではないだろうか?
1人だけ構えが異なるのは、薬丸示現流だからなのかな
  う~んと、あれが蜻蛉でいいのかわからん
  って、 江戸に出てからは北辰一刀流もやっていたよな
  いずれ、聞いてみましょ
時々発せられる猿叫っぽいのも、彼ならでは
  さすがに「ちぇすと」はいえないけどね
この治左衛門の解釈なら、発するよなと

熱いくせに爽やかという好青年ですな
これがまた、回を重ねるごとに変化するものだから
目を離せなかったのですよ
もともと、私好みの役柄なんですけどね
芯は変わらないものの、どんどん治左衛門そのものになっていく様は
目を見張る、嬉しいものだったし
魅せられましたよ

刀をおけば、なんだか甘ったれなんだけど
律さんとのやりとりも初々しくてねぇ
  思わず、遠い目になったよ
それだけに、井伊の槍に突かれて
とったー!となったときに
それまで「律さん」と呼んでいたのが
いきなり「律!」って・・・・ドギマギしちゃったわい
  私がドギマギする必要はないんだけど
  ほら、律の目線で観てたりするからね
まぁ、生き返っての第一声は「律さん」に戻っちゃうんだけどね




あ~~
もう~~~~
多分、まだいっぱい書きたいことあるはずなんだけど
これ以上は整理がつかない~~~~~


でも、あとこれだけは書かなきゃ!
ZAPPAの千穐楽といえば・・・・
そう!瓦版屋さんによる口上=キャスト紹介
これがねぇ、まぁ実によくとらえているんですよ
もちろん、紅と碧の同じ役でも
演じていらっしゃる方は異なるので
口上も違う

以前、目にした記事によると
公演が開始されてから、瓦版屋さんご自身が
この口上を書かれるそうで
当日あのカーテンコールまで
何を言われるかわからない
役者さんたちもかなり楽しみにしているとか・・・
客席のこちらも、かなりドキドキしながら
毎回、楽しみなのです



これ以上は、今はもう無理~~~
DVDで、シーンごとに止めながら
色々言っていったら、全部いえるとは思うけど
それは無理ってもの・・・・
でも、一度やってみたいんだよね
上映会的に、ああだこうだいいながら見るの
・・・でも、2時間半じゃ絶対終わらん
1日あっても終わるかどうか怪しい・・・



そして、日常に復帰できるんだろうか?
かなり、私、怪しいです
まぁ、いつものことですが・・・


最後に
出演者、スタッフ、携わったすべての皆様
至福の時間をありがとうございました!
大好きな作品のひとつになりました~~