おはようございます!
今日もいい天気ですね!
ガトーブルトン
【Gâteaux Breton】
このページでは
「ガトー ブルトン」
と
『ブルターニュ』の地方菓子のお話をしたいと思います。
フランスの北西部に位置する
ブルターニュ地方は”食”の観点からも特徴的な地域です。
そもそも私のフランスに対する印象は
地方によって
「違う国?」
と思うくらい地域文化を
「大切にしている」
「誇りにしている」
様に感じています。
※ブルターニュは元々は独立した国でした。
難しい歴史の話などは専門家の話を聞いてください。
私はパティシエなのでお菓子のお話をすすめます。
ブルターニュは良質な乳製品がある事がその食文化を特色づけていると感じています。
もちろんブルターニュ以外でも美味しい乳製品はありますが、ブルターニュ特産の
「加塩バター」【beurre demi-sel】
は表現は難しいのですが日本風に言うと
「旨味」
が強く感じられます。
ブルターニュはフランスの北西に位置し、海に囲まれた半島で海近くで多くの乳牛が育てられています。
海の近くの牧草は潮風にあたりミネラルが豊富でほかの地方の牛より旨味のある牛乳が作られる。
という事らしいです。
更に
「良質な海塩があることで相乗効果抜群だ」
とフランス人が言っていました。
ブルターニュの料理やお菓子にはこの
”イイとこ取り”
したバターがよくつかわれます。
日本でも知られるようになった
「ガレット」(そば粉のクレープ)
やサブレの
「ガレット ブルトンヌ」
などは加塩バターを使って仕込まれることが多いです。
※フランスのレシピを見てもブルターニュの地方菓子の配合には
【beurre demi-sel】と表記されているレシピが多くあります。
さて表題の
「ガトー ブルトン」
日本での知名度はそれほどではありませんが、代表的なブルターニュの地方菓子の一つです。
配合はとてもシンプルで
〈小麦粉、砂糖、卵黄〉
そしてブルターニュの
〈加塩バター〉
で作られます。
シンプルな配合のお菓子程
”素材”の質がわかりやすく、美味しさに大きく関係します。
※ブルターニュで食べた
『ガトー ブルトン』は
「やはり本場のお菓子はうまいなぁ~」
と強く感じるお菓子です。
日本で再現するのは簡単ではありませんが
”まね事”位はやってみて、もしブルターニュに行く機会があったら本場のガトーブルトンを実際に食べてみるとその美味しさに驚くかもしれません。
『ガトー ブルトン』
は特別な香りづけはせず、良質なバターの香りを楽しみます。
配合を見るとサブレ生地のようなので、少しお菓子作りに慣れた人はまず先に
〈バターと砂糖をすり混ぜ〉たくなりそうですが、
ガトーブルトンの仕込みは材料をすべて同じボールに入れ、手早く”なじませる程度”に混ぜ合わせるのが特徴です。
空気も含ませずベーキングパウダーも入れません。
出来た生地は冷蔵庫で寝かせることなくそのまま型に詰め、ぬりたまをして直ぐに焼きます。
食感は柔らかく縁の部分だけ少しサクッとした感じに焼き上げます。
タルト型やマンケ型を用いホールで焼きます。
ブルターニュは
『ゲランドの塩』でもよく知られ
〈ファーブルトン〉
〈塩キャラメル〉
〈クイニーアマン〉などのお菓子に
そして
『ガレット』【galette】
(そば粉のクレープ:Crêpe Bretonne)
などで使われます。
左は一般的な食塩
右がゲランドの塩
やや灰色です
いかがでしょうか?
日本でもフランスでも
地方菓子はそれぞれの地域の特徴を象徴する素材が使われています。
その地域の歴史や文化を知ると、より食文化の楽しみが増えると感じています。
それでは皆さん!
愛ある一日を!
~おまけ~
日本でもお馴染みになった
『ガレット ブルトンヌ』は
〈バニラ〉で香りを付けするのが一般的で
食感もサクサクほろっと軽いのが特徴です。
フランスでは塗り玉は塗らない事が多く
「パレ ブルトン」【Palet breton】
と呼びます。
日本では厚焼きサブレを
「ガレット ブルトンヌ」
と呼ぶことが多いのですが
本来はもう少し薄いサブレの事を指し
こちらは塗り玉をします。
ベーキングパウダーを使わず食感も少し硬めです。
奥が「パレ ブルトン」【Palet breton】
手前が「ガレット ブルトンヌ」【Galette Bretonne】
🍏ブルターニュはノルマンディーと並び
〈りんご〉も多く生産されていてリンゴを使ったお菓子やシードルに代表される飲み物もたくさんあります。
カキ(牡蠣)も最高です!