犬や猫の感染症や寄生虫の予防:マダニ予防② | パティ動物病院

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院長の見津が、病院の情報や飼い主の皆さんに役立つ情報やつぶやきを発信します。

今回はマダニの生態について

お話ししていきます。

 

皆さんダニというと

ついアレルギーの原因になる

ハウスダストマイト

(コナヒョウヒダニ、ヤケヒョウヒダニなど)が

あたまに浮かぶかもしれません。

これらは基本的に

吸血するということはしません。

 

マダニは成長や産卵のために脊椎動物から

吸血する比較的大型のダニの仲間です。

 

基本的に標的とする

吸血対象が決まっていますが、

哺乳類を吸血対象とするものは、

そこまでえり好みしません。

ネズミやイノシシ、シカにつくダニは

犬にも人間にもつきます。

 

以下のリンクは人間向けですが

ダニの生態や生活サイクルが

簡潔にまとめられています。

飼い主の皆さんんも

マダニは他人事ではないので

読んでみていただくと良いです!

国立感染研究所 「マダニ対策、今できること」

こちらは犬猫向けにまとめられています。

マダニってどんな虫? その生態、一生について

 

 

 

マダニの生態で予防に関して

注目すべき特徴があります。

①瞬間的な吸血ではない。

②年中何かしらの種類のマダニが

 吸血活動をしている。

 

上記の特徴を解説していきます。

①瞬間的な吸血でない

ダニはノミや蚊のように短時間で

吸血するわけでなく、

数日から長いと月単位で吸血をします。

※刺咬からBlood poolが形成されるまで

まったく吸血しないわけではありません

吸血して飽血すると、吸血対象の体表から

地面に落ちて産卵や脱皮を行います。

 

上の図のように、

段階的に吸血過程を踏むので

病気によっては刺咬してから

伝染するまでにタイムラグが

生じることがあります。

マダニは吸血後にとても大きくなるので

できものができたと思ったら

マダニだったということがあります。

◎噛みついている状態で

無理に引き抜こうとして

ダニの体を強くつまむと、

咬まれている動物の体内に

病原体が注入されることがあり、

大変危険です。

 

②年中何かしらの種類のマダニが

 吸血活動をしている。

マダニは冬にも吸血を行う種類がいるので

冬だからと言っても油断することはできません。

ただし、特に活発化するのは3月~11月です。

 

 

 

まとめ

・ダニは成長や産卵の過程で吸血します。

・3月から11月が活発化しますが、

 冬に吸血する種類もいます。

・吸血には数日から数週の過程を経ます。

 

次回はマダニの刺咬によって起きる

症状や感染症について

具体例を紹介していきます。