2回目の投稿です!
予告でしばらくは検査や予防についてとしていたので、
今回は、時期的に市町村といった自治体からお知らせが来る
狂犬病狂犬病予防について話していきます。
犬を飼われている方ならありとあらゆる情報媒体から
「犬を飼うときは狂犬病ワクチンの接種が義務」であることを耳にしているでしょう。
日本では猫の飼い主さんにはなじみがないですが、
海外ではワクチン接種が推奨されていたりします。
多くのわんちゃんの飼い主さんは、
「もうわかっているよ
」と思われるかもしれませんが大切なことです。
軽く復習してみましょう。
農林水産省や厚生労働省が狂犬病について分かりやすくまとめてくれています。
狂犬病-農林水産省資料
http://www.maff.go.jp/j/syouan/kijun/wto-sps/oie/pdf/sankou3_rabies.pdf
狂犬病-厚生労働省HP
https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou10/
YouTubeで狂犬病に感染した人や動物の動画を見ることもできます。
少なからず衝撃的な映像ですが、
どういう病気か知っていただくうえでは見ていただきたいです。
狂犬病予防接種は狂犬病予防法に基づいて
実施されています。
狂犬病予防法
〇生後90日以上の犬を飼った人は30日以内に市町村で登録が必要。
(生後90日未満は90日になった日から30日以内)
〇犬の飼い主は年に1回予防接種させなければならない。
〇登録時に発行される鑑札と予防接種時に発行される注射済票を
犬につけておかなければならない。
法律で皆さんに大きく関係する内容は上記の内容になります。
ずいぶん昔に制定された法令で、
この法律の趣旨は犬を守るものでは無く、人を守るものという事です。
この法律で犬において接種が免除される例外は制定されていません。
さて、皆さんの関心事は日本で何十年も発生していない
狂犬病の予防接種が本当に必要なのかという事かと思います。
副作用がこわいですし、お金もかかりますもんね。
法律の観点で言ってしまえば、
人や他の車がいなくても赤信号は止まらなくてはいけないのと同じように、
意味があろうがなかろうが予防接種の義務があります。
つまり、義務のない混合ワクチンや病気の治療と違って、
飼い主の意思で受けさせないという選択肢はありません。
獣医師に飼われてるから大丈夫という理論も通用しないので、
ピギーさんももちろん狂犬病予防接種しています![]()
昔の法律なので今の実状に合うように改善されるべきで、
当然今後議論されていく必要があります。
※改正されないのは、
獣医師が利権のために圧力をかけているのでは
という意見もあるかもしれません。
獣医師は予防接種によって利益を受け取る立場ですから、
そう取られるのは致し方ない部分があります。
なぜ今になっても法律を改正しないのかの事情は、
詳しく知らないのでその辺には触れないでおきます。![]()
ちなみに、
防疫の観点からだと、
現状の検疫体制だと何年に1回狂犬病ウイルスが
侵入しうるかのリスク解析等から
「防疫体制や万が一侵入した場合の封じ込めが万全」であれば
「国内で生まれた犬にワクチン接種の義務は必要なさそう」
という報告もあります。
とにかく狂犬病を国に入れないためには、
検疫を徹底させるべきと考えられています。
…が、狂犬病清浄国とされていた台湾で狂犬病が見つかった事例や、
昨年の豚コレラが発生した現状をみると、
「防疫体制や万が一侵入した場合の封じ込めが万全」であるとは、
簡単に言えないようです。
今回の豚コレラは海外由来の株だろうという事です。
狂犬病も不運な偶然を重ねて国内に侵入する可能性もあります。
台湾のように実は野生動物の間で残っている可能性もあります。
そもそも日本国内での犬のワクチン接種は
侵入を防ぐ効果はありません。
「万が一侵入した場合」の抑え込みを容易にはしてくれます。
…狂犬病が国内で万が一確認されたら、パニックが起こるんでしょうね…
話がそれてしまいましたが、
ワクチン接種の必要性があるか無いかに関わらず、
接種しないという選択肢は残念ながらありません。
となるとワクチン接種の危険性をいかに減らすかがポイントになります。
様々な報告で死亡率が何パーセントでこれだけ低いですよと結果が出ていても
亡くなってしまう子がいるのも事実です。
ここまででずいぶん話が結構長くなってしまったので、
危険性を減らすポイントと、
実際に動物病院では、
患者のわんちゃん全頭に狂犬病ワクチンを打ってるのか
ということを次回に話していきましょう。
次回は金曜日前には更新予定です![]()
