凩や施設への道妹と
表情のなき顔をして冬薔薇
今日は午後から兄の所へ行ってきました。
今年の八月から高齢者施設に入居していて、今まで行こうと思いつつ行けずにいました。
もうそろそろ兄も新しい環境に慣れたのではないかと妹と二人で。
施設での面談は結構規制が厳しくて一回に二人まで、時間は十五分、もちろん事前予約が必要との事です。
予約電話をしたら、午後からは二時半以降なら大丈夫との事だったのその時間にお願いしました。
アプリで近郊駅からの道順を調べてはあったのですが、実際駅に降り立ってしばらく行くうちに解らなくなってしまい途中にあった車のショールームの方にお聞きすると施設の場所は知らなかったようですがアプリも検索しながらとても親切に教えてくれました。
お陰で迷う事もなく無事に到着、受付の方の案内で二階に上がるとエレベーターを出たところにある休憩室に兄の姿を認めることが出来ました。
正直なところ一瞬見た時は似ているけど他人かな~と思うほど人相が違って見えました。
なんというか無表情な様子がいつもの活き活きとしていた頃の雰囲気とあまりにも違うので躊躇したのかもしれません。
それでも、やはり兄に間違いないと傍に行き声を掛けました。
顔をまっすぐ見ながら私たちの名前を言うといつもの笑顔になりました。
実を言うと行く前に兄のお嫁さんから時々顔を思いだせないこともあるようだと聞いていたので心配だったのですが、すぐわかったくれてホント心底ほっとしました。
介護士さんの案内で個室へ。
色々な事を話しました。
両親の事を頻りに心配する兄にもうすでに二人ともいないのだというのですが、その時は納得しても直ぐ元気なのかと聞き返してきます。
私たちもそれ以上は死んだという事は繰り返さず、昔一緒に遊びに行ったときのことなんかを話し、その時の思い出話しました。
兄も聞きながら、そうか俺は親孝行だったんだな~と嬉しそうに育った家の事などをぽつりぽつり話し始めました。
気が付くと部屋に入ってから二十分以上過ぎていて、兄も疲れた様子だったのでもう今日は帰るねと言うとそうか~と。
また年が明けて落ち着いたら来るから、そう言うと嬉しそうに「そうだな、正月過ぎたら来てくれたら嬉しい」と。
泣き虫の私は思い出話をしているうちに涙が溢れそうになり、一生懸命我慢しながら話していました。
どうしても思い出してしまうんですよね。
元気だったころの兄を。
両親の介護を一生懸命やってくれたり、退職してからまた始めた山登りに夢中になっていたり、慣れないパソコンをあっという間にマスターして人に教えるのを手伝うボランティアをしていた兄の姿を。
私とは年齢も離れていて、子どもの頃からちょっと距離のあった関係で正直それ程仲が良かったわけではありませんが、それでも何かと頼りにしていた存在でした。
今日思った事。
出来たら夫も私もこの家で最期まで暮したいな~~~。