「わかりました」
「えっ?」
「課長の言われるように営業へ行って話してきます」
「そうか・・・そう言ってくれると信じていましたよ。僕と大松さんの仲なんだから、きっとわかってくれると思っていましたよ」
 私とあいつの仲?いったいどんな仲だっていうのよ!
 嬉しそうに私の肩などたたきながら「水野さんお茶一杯くれないかなー」といいながらニコニコと机の上の書類を繰り始めた。

 私は席へ戻り仕事にかかった。
 あれこれ考える暇もなく着信ランプが点滅し一挙に仕事モードに突入だが、その応対の最中さえ私の怒りは収まる事はなかった。
 今朝まではこれ以上何も言うつもりはなかったし、あいつのことに関してはこれ以上関わるのは止そうとさえ思っていたのだ。
 たった2~3日でも現場の大変さを実感すれば当然体制の見直しも考えてくれるだろうと思っていたし、万が一このままでも忙しい時の応援も頼みやすくなったと思っていたのだ。
 ところが・・・体制の見直しどころか今あいつの頭の中には自分の行動の正当性を主張する事しかないのだった。
 話してやろうじゃないの、営業課長といわず所長にだって。
 これまであいつが自分のミスの尻拭いをどれだけ私たちにさせてきたか。
 由美に対してとった卑劣な行動をすべて!
 相手がどう考えるのか、私の行動を破廉恥と思うなら仕方ないし、この口惜しさを解かってもらえなくっても仕方ないと思った。
 兎に角このままの状態で仕事するのは嫌だった。
 それで万が一会社に居られなくなってもそれはそれで構わないと思ったのだ。