その時の由美の心境を考えるとやりきれない。もし私だったらなんて・・・。
「四人とも彼の部屋へUターン、ほんとは三人だけで話したかったけど、他の二人に帰ってくださいと言い出せなくって。テーブルを挟んで私の前に課長と沙織が座って、残った二人はちょっと離れた所にあるソファーに並んで腰掛けたの」

 由美は空になったビールのジョッキを両手で弄びながらその時の様子を話し始めた。
「どういうことかしら?」
「どういうことって?最初に誤解の無いように言いますが、わたし由美さんに嘘を言った訳じゃないですから。大松さんと課長が一緒に歩いているのを見たって言うのは本当の事ですから」
「それで、だからどうして今あなたがここにいるの?課長が私とだけじゃなくって大松さんとも付き合って、その上お見合いまでしてるって言ったでしょ?だから私に気をつけたほうがいいってわざわざ忠告してくれたあなたが課長の部屋からどうして出てくるわけ?」
「それは・・・」
「あなたも課長から誘われたの?私と彼の間を裂くためにあんな事言ったの」
「やめてくださいよ!課長とは20才近くも年が違うんですよ。わたし恋人だってちゃんといるんですから変な事言わないでください」
「だったら何故?」
 それまで固まったように黙っていた課長が口を切った。