課長に所長の言葉を伝え席へ戻ると由美が話しかけてきた。
「無事収まったみたいで良かったですね。元々大松さんには責任のない事だけど何となく憂鬱ですよね」
「まあね」
 答えたもののなんとなくスッキリしない。
「課長には上からはっきり言ってもらった方がいいのよね。だっていつも迷惑するの私たちなんだから。沙織ちゃんもそう思うでしょ」
 由美は隣の沙織に同意を求めるように話しかけた。
「そうですよね。でもちょっと可哀想なような気もしますね」
 由美が沙織の言葉に驚いたようにふりむいた。
「なんていうか、課長はちょっと的が外れているけど、ともかく一生懸命なんですよね。能力の割りに自信過剰気味で、それでいつも失敗ばかりなんですよね」
「やる気が有ったって結果的に他人に迷惑かけたら何にもならないわよ」
 由美の口調の強さに少したじろぎながら「もちろんそうですよね。ただ今からまた所長達に絞られるんだろうなーと思ったらちょっと可哀想な気がして、深い意味は無いんですよ」と言った。
「深いって?私だって別に深くなんて考えてないわよ。まあ課長は若い子には親切だからねぇ大松さん」
 由美の剣幕に私も沙織もちょっとあきれ返っていた。