営業社員の連絡で大急ぎでやってきた所長に対応の拙さをこってり絞られた課長は顔面蒼白で俯いていた。
「僕と畑中君が二人で行ってくる。相手の人があんな失礼な言い方をする人の顔も見たくないといわれているそうだから、君は行かなくてもいい!」
「申し訳ありません、言葉の行き違いがあって。町田君が相当怒らせてしまっていて、何とか宥めようとしたのですが」
「もういい!」
 更に言葉を続けようとするのを打ち切るように所長は上着を片手に立ち上がった。

 所長達が出かけるとあいつは由美の所へ行き「だから言葉遣いを注意したじゃないか」とネチネチ言い始めた。
 最初は黙って聞いていた由美があまりのしつこさに半泣きになりながら反論した。
「私が電話している時は、ただ返品したいと言われていただけで別に怒ってなんかいませんでした。課長が取説を読まれているのですかとか扱い方に問題があったのではないかとか言って怒らせたんじゃないですか!言葉は丁寧でしたが随分失礼な言い方していたと思いますよ」
「君にそんなこと言われる筋合いはないです。今回のように性質の悪い相手には相手の言い分を聞くだけではなくて、キチンと言うべきことは言わないとつけこまれるんです」
「そんな風に決め付けるのはどうかと思います。今まででも同じようなことが何度もありましたけど、前の課長さんはもっと穏やかに解決していました」
「元凶の君に言われたくないな」
 そう言うとぷっと席を離れ私の所へやってきた。