「じゃあお先に失礼します」
 美沙が野菜を持って戻ると由美がちょうど帰るところで擦れ違った。
「あっ、お疲れさま、あの・・・」
「え?」
「大変でしょうが頑張ってね。お二人ともまだ若いからこれからですもの!」
 美沙の言葉に由美はにこっと微笑み返し、「ありがとうございます。これからもまた迷惑かけることがあるかもしれませんがよろしくお願いします」と頭を下げ帰っていった。

 一時間くらいして時子が帰り厨房には主人夫婦と美鶴、それに美沙の四人となった。今からは出来上がった惣菜のパック詰め、使った調理器具の洗浄、消毒など交替で昼食を取りながらやることになる。
「美沙ちゃん、大したものじゃないけど此処にお弁当置いとくからみっちゃんと一緒に先に済ませちゃってね」
「あのお代金は・・・」
「いらないわよ、そんなもの。こちらから無理言ったのだし、ありあわせの物だから」
「みっちゃんもお弁当持って来てるだろうけど適当につまんでちょうだいね」
「ありがとうございます、じゃあお先にいただきます」
 美沙と美鶴はお礼を言うとカウンターの丸椅子に腰掛け食べ始めた。