「もちろん、鬼頭さ んのお姉さんの事だけで進路を決めた訳じゃないって何年か前の同窓会の時言ってたよ」
高田はランチの最後のコーヒーを一口飲むと記憶を探るように話し始めた。
「進路を決める時、特別あの時のことを意識してたつもりはないけど、心の何処かににあったかもしれないって。でもイザ現場で働き始めたらそんな気持ちはすぐ何処かへ吹っ飛ぶほど忙しくって厳しい仕事だったって。だけどこの仕事を選んで本当に好かったって喜んでいたよ。大変だけど遣り甲斐があるってね」
美沙は高田の言葉に救われるような気がした。
あんな昔の小さな出来事にいつまでも引きずられている自分が情けなくって惨めに思うことが何度もあったのだ。
当事者の二人の少年があの事を忘れていなかった。
彼らの人生にも何らかの影響を与えていたのだと知ることが出来てやっと気持ちにケジメがつけられるような気がした。
「そう言えば加藤さんって市内の養護施設の園長をやってるって聞いたけど」
加世の言葉に高田は黙って頷いた。
「半年前に仕事中にくも膜下出血で倒れてね。奥さんや子どもさんも間に合わなかったらしい。僕も普段殆ど付き合いがなかったから全く知らなかったんだが、同窓会の案内を見た奥さんから電話があって…あまり吃驚してお悔やみの言葉もでなかったよ」
美沙も加世も一瞬言葉を失った。
高田はランチの最後のコーヒーを一口飲むと記憶を探るように話し始めた。
「進路を決める時、特別あの時のことを意識してたつもりはないけど、心の何処かににあったかもしれないって。でもイザ現場で働き始めたらそんな気持ちはすぐ何処かへ吹っ飛ぶほど忙しくって厳しい仕事だったって。だけどこの仕事を選んで本当に好かったって喜んでいたよ。大変だけど遣り甲斐があるってね」
美沙は高田の言葉に救われるような気がした。
あんな昔の小さな出来事にいつまでも引きずられている自分が情けなくって惨めに思うことが何度もあったのだ。
当事者の二人の少年があの事を忘れていなかった。
彼らの人生にも何らかの影響を与えていたのだと知ることが出来てやっと気持ちにケジメがつけられるような気がした。
「そう言えば加藤さんって市内の養護施設の園長をやってるって聞いたけど」
加世の言葉に高田は黙って頷いた。
「半年前に仕事中にくも膜下出血で倒れてね。奥さんや子どもさんも間に合わなかったらしい。僕も普段殆ど付き合いがなかったから全く知らなかったんだが、同窓会の案内を見た奥さんから電話があって…あまり吃驚してお悔やみの言葉もでなかったよ」
美沙も加世も一瞬言葉を失った。