「でも美沙さんって不思議な人よね」
 真知子がメロンを美味しそうに食べながら言った。
「えっ」
「変な意味じゃないのよ。だって普段はご主人が早く帰るからって殆ど寄り道しないで帰るでしょ。でもたまにこうやって話していると全然生活の匂い感じないのよね、主婦くさくないって言うのかなー」
「そう?結構真面目主婦って自認してるけど」
「そうそう、私もそれは前から感じていたのよね」
愛がさらに追加して持ってきたオレンジを食べながら相槌をうった。
「精神的にも経済的にも自立してるからじゃないの」
 徳子が珈琲を飲みながら言った。
「あらそんな事ないわよ。今の私は夫のお給料で養われている専業主婦みたいなものだもの」

 美沙の言葉に首を傾げながら真知子が言った。
「そうかなー。私美沙さん見てると結婚も悪くないかなって思ったりもするのよ。今の自分の生活を捨てないで二人で生きていけるのなら」
「偶々子どもがいないからそう見えるだけよ。結婚で私もたくさんの事諦めたわよ。もちろん夫だって色々我慢してきたと思うけどね」
「だってお仕事だってずっと続けてたし、今だって趣味やボランティアでとっても生き生きとして見えるもの。そんなに自由でいられるなんてスゴイと思う、やっぱり」
「そうそう。私なんて亭主がいるころは何をするにしても一応お伺いたててたものよ。旅行へ行くのも、趣味の教室来るのも。俺が食わせてやってる、主婦が家のこと完璧にやらないで遊びに行くなんてとんでもないって人だったから」
 徳子は大きく溜め息をつきながら言った。