「おはようございまーす!」

 割烹着を手に調理場へ入っていくと店の主人夫婦はすでに大鍋の野菜の煮物を炊き上げお浸し等の青野菜の調理にかかっていた。
 スーパーの中にある総菜屋だが料理はすべて店での手作りで買い物客の人気も高かった。調理は夫婦ともう一人四十代の主婦がフルタイムで手伝っていた。
 美沙ともう一人のパートの仕事は、出来上がった惣菜を計量しながらパック詰めするものだった。十時の開店直前までは目の回るような忙しさだが、十時半頃までには店頭のケースに一応並び終えちょっと一息つくことが出来る。

「美沙ちゃん、時ちゃんも少し休憩して」
 商品を並べ終え調理場へ入っていくとお上さんがコーヒーを入れてくれていた。
「みっちゃんも切りがついたらこちらで少し休んでね」
 流し台で鍋などを洗っている女性に声をかけるとお上さんもコーヒーを手に丸椅子に腰掛けた。