当時勤めていた 銀行からの帰り、立ち寄ったスーパーで偶然であったのだった。
加世は二歳位の子どもの手を引き中年の女性と二人で大きなカートを押しながら買い物をしていた。最初に声をかけたのは加世のほうだった。気づかず擦れ違おうとした美沙の顔を見て驚いたように声を出した。
十年ぶりの再会だった。連れの女性はお姑さんで、夫の転勤で最近こちらへ戻り夫の実家で同居することになったのだといった。聞いてみれば美沙の家から歩いて5分ほどのところに住んでいるという。夕方の忙しい時間でもありそのまま別れたのだったが、それから休日などには時々顔を合わせ一緒に買い物などに行ったりしていた。しかし三年くらいで加世は再び転勤の夫と共に引越ししてしまい、それ以来年賀状をやりとりするくらいで顔を合わせたことは一度も無かった。
「お久しぶり~!!突然電話してゴメンね。ひょっとしてお仕事でお留守かな~~と思ったんだけど」
「銀行は5年前定年で辞めたの、今は近所のスーパーで午前中アルバイトに行ってるだけだから、優雅にお茶タイムしてたところよ」
「今どき55歳が定年なんて珍しいわね、60歳が普通なのにね」
「男と女は違うしね、頑張れば居られないことも無かったんだけどおばさんには結構きつい職場だから」
ふと銀行勤務時代の激務が頭を過ぎった。男性行員に比べ差別的な待遇の割りに仕事だけはハードになる一方だったのだ。55歳になった時正直な所それ以上頑張る気力も体力も美沙には残っていなかった。
加世は二歳位の子どもの手を引き中年の女性と二人で大きなカートを押しながら買い物をしていた。最初に声をかけたのは加世のほうだった。気づかず擦れ違おうとした美沙の顔を見て驚いたように声を出した。
十年ぶりの再会だった。連れの女性はお姑さんで、夫の転勤で最近こちらへ戻り夫の実家で同居することになったのだといった。聞いてみれば美沙の家から歩いて5分ほどのところに住んでいるという。夕方の忙しい時間でもありそのまま別れたのだったが、それから休日などには時々顔を合わせ一緒に買い物などに行ったりしていた。しかし三年くらいで加世は再び転勤の夫と共に引越ししてしまい、それ以来年賀状をやりとりするくらいで顔を合わせたことは一度も無かった。
「お久しぶり~!!突然電話してゴメンね。ひょっとしてお仕事でお留守かな~~と思ったんだけど」
「銀行は5年前定年で辞めたの、今は近所のスーパーで午前中アルバイトに行ってるだけだから、優雅にお茶タイムしてたところよ」
「今どき55歳が定年なんて珍しいわね、60歳が普通なのにね」
「男と女は違うしね、頑張れば居られないことも無かったんだけどおばさんには結構きつい職場だから」
ふと銀行勤務時代の激務が頭を過ぎった。男性行員に比べ差別的な待遇の割りに仕事だけはハードになる一方だったのだ。55歳になった時正直な所それ以上頑張る気力も体力も美沙には残っていなかった。