星星星 ☆ ☆


伊坂幸太郎さんの9作目の本です。

Roger’sブログ The Path To Glory
・魔王

・呼吸


と2部構成となっています。



安藤兄弟が普通に過ごしている生活の中で

「何気ない日常生活に流されることの危うさ」

を「政治」という題材を取り扱いつつ、表現されています。



兄の視点で描かれた「魔王」


「魔王」の世界から5年後の世界を

弟の視点で描かれた「呼吸」



そして、特殊能力を備えた安藤兄弟。

ドゥーチェのマスターと、兄との会話は非常に印象深く、


「得てして人は、自分の得た物を、

 自分だけが得た物と思いこむというものですよ」


「特別なのは自分だけではない」


という会話が、すごく印象に残りました。



「魔王」とはいったい何か・・・。

読み手にゆだねられた作品だと思います。




伊坂ワールドとしては、

死神の精度 」で出てくる千葉が、安藤の会社で調査をしていたり

チルドレン 」で出てくる居酒屋「天々」がでてきたりします。



おっと、いけない。

もぅこんな時間か・・・。



「消灯ですよー」



【背表紙】
会社員の安藤は弟の潤也と二人で暮らしていた。
自分が念じれば、それを相手が必ず口に出すことに偶然気がついた安藤は、
その能力を携えて、一人の男に近づいていった。
五年後の潤也の姿を描いた「呼吸」とともに綴られる、
何気ない日常生活に流されることの危うさ。

新たなる小説の可能性を追求した物語。


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