星星星 ☆ ☆




伊坂幸太郎さんの5作目の本です。
Roger’sブログ ~The path to glory ~

現在と2年前の話が、交互に繰り広げられる

カットバック形式の小説です。


非常に物語が良くできて、スラスラと読めましたし

カットバック形式にも戸惑いがなく、面白く読めました。



現在は、大学生になったばっかりの椎名。

2年前は、琴美と恋人のドルジ。

そして、現在と過去の繋がりの鍵を持つ河崎という男。


それぞれの視点で物語が進んで行きます。




~現在~

初対面だというのに、河崎は、椎名に

「一緒に本屋を襲わないか」

と持ちかけ、盗むのは「広辞苑」一冊。。。

冒頭、いきなり本屋を襲っているシーンから

物語が進んで行きます。



なぜ「広辞苑」を1冊だけ盗む!?

それを紐解くカギは、2年前の出来事が

深く関係してくる。



~2年前~

ペット殺しらしき3人組を目撃した、ドルジと琴美。

その後、ペット殺しと3人組の結びつきや、

3人組とドルジと琴美とのトラブルが、あらぬ方向に事態が進行し・・・。



終盤にさしかかり、2年前の出来事と現在がつながっていき

それぞれの登場人物の過去と現在とのつながりが

シンクロし明確になっていきます。


そして、現在と過去との鍵を持つ男「河崎」とは?

現在と過去の相違点を見つけて読むと面白いと思います。



伊坂ワールドとしては、

陽気なギャングが地球を回す 」に出てくる響野の嫁、祥子が

椎名の叔母にあたる役柄として出てきます。

(実際には、登場しませんが)


こういうのは、私個人としては好きなので

ちょっとうれしかったり♪



面白かったか?と聞かれると私はただ一言

「ソウデスネ」

と答えるだろう。


【背表紙】
引っ越してきたアパートで出会ったのは、悪魔めいた印象の長身の青年。
初対面だというのに、彼はいきなり「一緒に本屋を襲わないか」と持ちかけてきた。
彼の標的は―たった一冊の広辞苑!?そんなおかしな話に乗る気などなかったのに、
なぜか僕は決行の夜、モデルガンを手に書店の裏口に立ってしまったのだ!
注目の気鋭が放つ清冽な傑作。第25回吉川英治文学新人賞受賞作。



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