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現在と2年前の話が、交互に繰り広げられる
カットバック形式の小説です。
非常に物語が良くできて、スラスラと読めましたし
カットバック形式にも戸惑いがなく、面白く読めました。
現在は、大学生になったばっかりの椎名。
2年前は、琴美と恋人のドルジ。
そして、現在と過去の繋がりの鍵を持つ河崎という男。
それぞれの視点で物語が進んで行きます。
~現在~
初対面だというのに、河崎は、椎名に
「一緒に本屋を襲わないか」
と持ちかけ、盗むのは「広辞苑」一冊。。。
冒頭、いきなり本屋を襲っているシーンから
物語が進んで行きます。
なぜ「広辞苑」を1冊だけ盗む!?
それを紐解くカギは、2年前の出来事が
深く関係してくる。
~2年前~
ペット殺しらしき3人組を目撃した、ドルジと琴美。
その後、ペット殺しと3人組の結びつきや、
3人組とドルジと琴美とのトラブルが、あらぬ方向に事態が進行し・・・。
終盤にさしかかり、2年前の出来事と現在がつながっていき
それぞれの登場人物の過去と現在とのつながりが
シンクロし明確になっていきます。
そして、現在と過去との鍵を持つ男「河崎」とは?
現在と過去の相違点を見つけて読むと面白いと思います。
伊坂ワールドとしては、
「陽気なギャングが地球を回す 」に出てくる響野の嫁、祥子が
椎名の叔母にあたる役柄として出てきます。
(実際には、登場しませんが)
こういうのは、私個人としては好きなので
ちょっとうれしかったり♪
面白かったか?と聞かれると私はただ一言
「ソウデスネ」
と答えるだろう。
【背表紙】
引っ越してきたアパートで出会ったのは、悪魔めいた印象の長身の青年。
初対面だというのに、彼はいきなり「一緒に本屋を襲わないか」と持ちかけてきた。
彼の標的は―たった一冊の広辞苑!?そんなおかしな話に乗る気などなかったのに、
なぜか僕は決行の夜、モデルガンを手に書店の裏口に立ってしまったのだ!
注目の気鋭が放つ清冽な傑作。第25回吉川英治文学新人賞受賞作。
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