☆
6つからなる、短編小説です。
「死神の精度」
「死神と藤田」
「吹雪に死神」
「恋愛で死神」
「旅路を死神」
「死神対老女」
音楽好きな死神、千葉。
人間界にて仕事をする時、必ず雨になり
青空を見たことがない、千葉。
そして、人間味のない(死神だから当たり前か・・・)
少しかみ合わない会話。
人の死にまったく無関心である
そんな死神、千葉が
7日間の間、調査対象となった人間を観察し
見定めます。
そして、出す結果は、「可」か「見送り」か。
ほとんどの結果は「可」となるのですが・・・。
伊坂ワールドとしては、
「旅路に死神」編で、「重力ピエロ 」に出てくる"春"と出会います。
また、調査中の千葉が、「魔王」にも出てきますね。
人の死を扱う作品には思えないぐらい
淡々とした作品ですね。
短編集としての魅力がふんだんに織り込まれ
また、短編集を読んだ時のいつもの、どこか読み足らないという
思いは、この作品には、感じませんでした。
非常に面白く、あっという間に
読み終わってしまいました。
短編集の中にも、巧みに仕込まれた伏線があり、
これが、また伊坂ワールドにどっぷりハマってしまっている
私には、たまりませんでした。
【背表紙】
CDショップに入りびたり、苗字が町や市の名前であり、
受け答えが微妙にずれていて、素手で他人に触ろうとしない―
そんな人物が身近に現れたら、死神かもしれません。
一週間の調査ののち、対象者の死に可否の判断をくだし、
翌八日目に死は実行される。クールでどこか奇妙な死神・千葉が出会う六つの人生。
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死神の精度/伊坂幸太郎(文春文庫)
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