時刻は、22時前。
残業とやらを、日々の「慣れ」というものに支配され
あまりに普通におこなっていた、その時
私のとなりの席にいらっしゃる方(Aさん:仮名)が
机の上に無造作に置かれた資料を
「ガサッ」「ゴソッ」とけたたましい音をたてながら
何かをしていました。
キャビネットの引き出しを、あけて
「ガサッ」「ゴソッ」
机の引き出しをあけて
「ガサッ」「ゴソッ」
ノートパソコンの画面を閉じて、その裏も
「ガサッ」「ゴソッ」
・・・。
A「あれ~?」
A「おっかしぃなぁ~・・・」
私「どうしたんですか?」
A「う~ん。」
A「今日、腕時計してきたんやけど、もしかしたら、なくしてもぅたかもしれん
」
私「えぇそうなんですか
」
A「やばぃわぁ!あれ、結構高かったのになぁ・・・」
私「探すの、手伝いますよ!」
「・・・。」
私「あれ・・・。」
「腕時計、してますやん」
「ほんまやしてるやん
」
二人は、腹がよじれるぐらい大爆笑
の渦
に巻き込まれ
暫く、仕事になりませんでした
真夜中のしんと張りつめた静寂のオフィスに響く
2人の、けたたましい笑い声
メガネを頭の上にして、
「メガネ、メガネ」って探す人は、たまに見かけますが
腕時計して、「トケイ、トケイ」って探す人
始めてみました