星星星 ☆ ☆

東野圭吾さんは、「社会派」なの?

と思ってしまうぐらい、深くて切ない本でした。



Roger’sブログ ~The path to glory ~

ビックリしたのは加害者の少年がほんと、前半の物語を進めていく上で

必要な情報や、行動を示すだけで

あとは、最後の終焉を迎えるにあたり、出てくるだけです。


追われる側の心理が少ないというのと、


警察の視点や、加害者側の視点等

色々な視点で事件を見るのですが

やはり、ベースは加害者の少年を追う父親。


父親の心理や、心情がアリアリと伝わってきて

より一層父親の気持ちが随所に垣間見れ、深く考えさせられる。



加害者の少年と、父親の両方を追うことになった刑事も


「最終的に、自分たちが正義の刃と信じているものは、

本当に正しい方向を向いているのだろうかと疑問に思った。

向いていたとしても、その刃は本物だろうか。

本当に悪を断ち切る力を持っているだろうか」


と、何が正しいのか、

疑問を少なからず、抱いているのが印象的でした。



読み終わった感想は、


何が正しいのやろう?

それでよかったんだろうか?


自分が、長峰の父親なら

どうしただろう?


間違いとわかりつつも、

同じ行動したのではないか?


と自問自答しても、中々答えが出てこず

モワンモワンした気持ちになって

非常に考えさせられる本でした。






【背表紙】

長峰の一人娘・絵摩の死体が荒川から発見された。
花火大会の帰りに、未成年の少年グループによって蹂躙された末の遺棄だった。
謎の密告電話によって犯人を知った長峰は、突き動かされるように娘の復讐に乗り出した。
犯人の一人を殺害し、さらに逃走する父親を、警察とマスコミが追う。
正義とは何か。誰が犯人を裁くのか。
世論を巻き込み、事件は予想外の結末を迎える――。
重く哀しいテーマに挑んだ、心揺さぶる傑作長編。


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