習作ですので、興味ないならスルーしてください
また、ナチス関連の思想への傾倒も特定の集団への誹謗中傷する思想は私個人にはありません
疲れた。
もうすぐ、終わる。
あとは彼らがうまくやってくれるだろう。
この部屋のソファに座ってどのくらいが経過したのか。
いや、時間はもう残されていない。
節操のないボリシェヴィキたちに蹂躙される前に事をなす。
左隣では、彼女が不安げに何か言っている。
今更何を言いたいんだ、妻になり共に最期を遂げると言ったのは嘘だったのか?
私は微笑んで見せる。
「大丈夫だ、すぐに楽になるよ」
彼女は悲しげに口元に笑みを浮かべた。
情婦としてだ、心までは彼女には開かない。
関係を持った時には、もう誰も愛せなかった。
最愛の大切な人物は、心の中にしか存在しない。
ふと目を閉じればいつでも出会える。
隣で女がアンプルを飲んだ。
苦しみ悶えているようだ、もうすぐ楽になるだろう。
そろそろ私もこの薬をもてあそばずに飲むとするか。
遺書も書いた。
疲れた、こんなに裏切られるとは思ってもなかった。
ドイツ人とは崇高な存在と思ってた私が愚かだった。
結局は裏切り者だらけで責任を逃れようと逃げる。
死んで生まれ変わるとしても、またドイツは駄目だ。
もし生まれ変わるとしたら、日本が良い。
あのオオシマという男は実に素晴らしい。
他にも出会った日本人とは、なんと誠実で真面目で勤勉で…裏切ることがない素晴らしい存在なのか。
そうだ、日本だ!
私もゲリも日本人として生まれ変わってまた出会おう!
男は青酸カリのアンプルを噛み、同時に所持している拳銃でこめかみを、撃ち抜いた。
現地時間1945年4月30日午後3時半頃の事だった。