特許初級セミナー
先日、大阪の特許セミナーがありましたので、セミナーで聞きとれたノートを公開いたします。
セミナー名:JIPCセミナー B初級コース
目的:特許実務家としての基礎知識を得ることにある。
主題:
1.新規性、進歩性について ✓
3.権利侵害による訴訟などの実例 ✓
4.日本の特許認定率についての考察等 ✓
5.意匠について ✓
6.知財裁判所について ✓
7.審査について ✓
8.つぶし調査 ✓
i. 著作権法(財産権でもある。文化庁が管理している):権利の成り立ちがありまいなため権利者が誰か分かりにくいため行使が難しい。
例えば、kuboty株式会社のホームページ作成を第三者に委託し、製作してもらうとそのホームページの著作権は、そのホームページの制作会社にある。
ホームページのリニューアルをkuboty株式会社が勝手にできない可能性がある。こういったトラブルを未然に防ぐためには、契約書面上に、”kuboty株式会社にはリニューアルする権利がある。”と契約書に明記していないと駄目です。
ii.契約書(business contract):法律を作るのと同じなので、作成は非常に難しい。
iii.不正競争防止法:知財として重要になってくるので目を通しておいて損は無い。22項のみなので、目を通しておいて損は無い。
iv.特許:ある技術に対して独占できる権利。
すでに公衆に既知の技術は特許として認められない。
-配布された刊行物(公開公報、インターネット、特許公報、新聞、文献、不特定多数に配布された文書等)に載せられていた技術は特許として認められない。
進歩性 (特許法 29条2項)
特許の技術に関係のある同業他社が安易に考え出すことができる程度の発明は特許として認められない。
進歩性が無い例:
-単に設計変更をしたもの
-代替部品を組み合わせたもの
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出願人が出願すると
à1.5年経過すると、公開特許公報が公開される。 (特許法:44条)
à3年経過するまでに、特許本審査(数十万の費用)する。期間が経過すると、出願取り消しになる。
à不合格:拒絶理由通知が来る。à意見書/補正書提出*à拒絶査定不服審判
à合格: 特許査定(特許法51条)
à登録(査定合格後)à特許公報発行
à特許権消滅 (毎年、特許維持費を払わないとそうなる)
*特許の補正は、審査が進めば進むほど難しくなるので、最初から完成度の高い特許申請書を書く方が良い。
[補足]
アメリカ以外の国では、同等の技術に対して、特許出願が複数なされた場合、早く申請した者(もっとも出願日が早い出願に特許が付与される)
3. 特許の権利が侵害された場合、民法の709条が侵害された不法行為に基づく損害賠償請求ができる。訴えられた会社の利益一年分が吹っ飛ぶ可能性がある。そのため、儲かっている会社に訴えたほうが搾り取れるので良い。ただ、訴える側は訴訟費用として一億5000万円くらいは見ておいたほうが良い。元々知財の世界では、賠償額が非常に小さかったため、特許法102条の一行で賠償額がつりあげられた経緯がある。
4. 西暦:1998年の特許認可率65% 西暦:2002には、51%と右肩下がりになっていることからも年々審査は厳しくなっている。その背景には、年々特許申請数が積みあがってきていることと、最近の知財裁判所のアンチパテントの方針が如実に現れているものと思われます。昨今の露骨なアンチパテントがいき過ぎないように、これから数年は、少しは認可率の増加も期待できそうです。
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社内の知財ニュースにも書いてありましたが、コカコーラのボトルの事件に触れられました。コカコーラの知名度の高さにより、コカコーラのボトルはラベルが無くでも、コカコーラだと判別がつけられるとの考えから、ボトルのデザインが意匠として認められたそうです。
6 .第一審:地方裁判所(東京/大阪)
à第二審:知財高裁(東京) プログラミングのようなものも扱う。
à第三審:最高裁(東京) 注). 基本的に第三審は無いと考えた方が良い。事件の持込が非常に難しい。
7 .特許の審査官はたかだか一件あたりに半日くらいしか使わない(審査官一人あたりだいたい、200件/年のスピードでこなしている。) 全ての審査官が該当する特許申請の技術に精通しているとは言い難い。そのため、出願書類に理解不能な文章があると認可に影響が出てくることは否めない。面接審査をするときに特許対象の製品をもちこみ技術を説明したりすると特許付与率が上がるとのこと。
8.
他社の特許をつぶしたいとき、インターネットの情報(過去のインターネットの情報を集約した、『インターネットアーカイブス』http://www.archive.org/
を使って、つぶすことが可能とのことです。
9.
平成10年度位~ 知財高裁、最高裁の判例は頭に入れておかないと知財実務がうまくいかなくなる可能性が高くなるので、最近の判例を軽く勉強してみます。
以上
ブログと著作権: 個人の私的使用の範囲外とは?
最近のプリクラ(写真シール機)は、メール登録をすると、撮ったシールの写真を携帯やパソコンに送ることが簡単にできるようになっています。
そのプリクラの提供会社Aの利用規約を読むと以下の通り書いてありました。
“お客様は当サービス及び当サイトを通じて提供される著作物等を権利者の許諾なしに著作権法で定めるお客様個人の私的使用の範囲外で使用することはできないものとします。
お客様は、当サービス及び当サイトを利用することにより得られる一切の情報を当社または当該情報権利者の事前承諾なしに、複製、販売、及び出版、その他私的利用の範囲を超えて使用することはできません。”
Q. ここで、皆さんに質問です。 あなたは、今日自分一人で、上記プリクラ提供会社Aのプリクラ機でプリクラを撮りました、その撮った写真を携帯に取り込み、自分のブログに使うことができるでしょうか?
ブログは、日記から始まったそうですが、インターネットを使って誰でも閲覧できるので、公共性を持っているそうです。 確かにブログは、誰でも閲覧でき、『ブログ炎上』(ブログが荒らされること)が起こったりするので、自分の日々の日記をつづっていても、あくまで一般公開=公共性を持っていると考えるのが良さそうです。
著作権法 30条 1項, 102条1項には、“著作物や著作隣接物は、個人的に又は家庭内その他これに準ずる限られた範囲内において使用するものが複製することができる”と規定されています。
ブログは、公共性を持っていることから、上記のプリクラメーカーの利用規約に書いてある“私的使用の範囲に該当しない”ことになり、送信されたプリクラ画像をブログに使用してはいけないことになります。 ただ、すべてのプリクラメーカーでそういった規定を決めているわけではないので注意が必要です。
[余談]
僕は、オーストラリアの大学留学時に論文を毎月書いていたので、どうしてもブログを書こうとすると論文のルールを持ち込んで、学術的になって、律儀に引用や参考文献を書く癖がついています。ただ、それをやると定期的にブログを更新しようとする足かせになるので良くありません
海外の有名ブロガー(月間 50万件のアクセスがあるという。)のブログコンテンツを見ても、参考文献などを論文のように書いているわけではありませんでした。僕と、この有名ブロガーの違いはズバリ、自分の頭と言葉で文章を書いているかいないかの違いだと今、気づきました。 今までを振り返っても、本当に自分のアタマで考えていることは非常に少なく、他人の考えをそのまま自分の考えに移して、自分が考えたような錯覚をしていたということを告白したいと思います。でも、諦めずいい方向に(自分のアタマと他人のアタマの使用量をバランス良くする)向かうために、どんどん自分の考えをブログとして発信したいと思います。
でも、今回も一応、参考文献を羅列しておきます。 あまり堅い話ばかりですみません。
参考文献:週刊 東洋経済 特集『著作権は儲かる』 2007/3/10
Wikipedia http://ja.wikipedia.org/ アクセス 2008/10/02
引用文献:ビジネス著作権法 著者 荒竹純一 2006年9月9日 第一刷発行 299ページ
特許ニュースのまとめ。 8月14日分。
特許ニュースには、デザインが大きな無形財産(Intangible Assets)になりうると書いてあるがどうしてなのだろうか? ここでは、会計的な立場からみてみよう。
デザインが含むものには、"外観やブランドイメージ、サービス内容、企業理念、サービスが提供される環境"を含むそうだ。
スターバックスを例にしてみれば、優れた一級品のコーヒー豆を使ったコーヒーを家や職場と違った特別な空間が提供され高級のコーヒーを飲めること。 または、トヨタの車と聞けば、高品質で信頼性があるといったことを思い浮かぶ人もいるだろう。 デザインの中で、不可解なものは企業理念だが、消費者がこれを意識することは、あまりないのではないだろうか? それよりも、間接的に経営者や従業員の戦略、戦術、行動に影響を与えることによってそれが無形財産になりうるのであろう。 今は亡き旧ライブドアの基本的理念などは、『お金儲け』であったようだ。 それが、ホリエモンによる見せ掛けの利益(粉飾決算)という重大な犯罪に走らせたのであろう。 そう考えると、理念はデザインの中でも非常に重要なものであると言える。
社会がどんどん高度化し知識社会になると、"有形資産"(Tangible Assets)である代表格である(在庫、現金、売掛金、オフィス備品)から"見えない資産"である無形資産(Intangible assets)の方が重要になってきた。
ただ見えないため、その価値を数値化するのは難しい。会計的な立場からみても、無形資産の代表的な例である特許、商標、委託件、著作権などを正確に財産評価することは、現在不可能に近い。日経BP知財によると、現在の日本の会計法では、無形財産について特に取決めがないため財務諸表には、計上されない。アメリカなどの欧米諸国においても無形財産は財務諸表には反映されないようだ。ただし、アメリカにおいては、M&A(企業結合・買収)などにおいて、有形資産とは別に、Goodwill(のれん)として評価される。
[出典:日経BP知財 http://chizai.nikkeibp.co.jp/chizai/etc/shinagawa20050324.html ]
Figure 1: The value of corporate Intangible Assets has continuously increased in the last decades and is dominating today the market value of many corporations (here the average values for S&P 500 corporations in the
アメリカのS&P500に選ばれている、500の大企業の企業の市場価値に占める無形財産は1982年では、38%であったが1998年には85%となっていることから、たったの16年間で2倍以上の増加である。 アメリカの現在が日本の未来であると言ってだいたい良いと、監査法人トーマツの企業リスク所長が前に触れられていた。このことからも、日本の企業価値を例にとっても無形財産が大半を占めることが予想される。
知的財産に関わるビジネスパーソンは、実際に見えるよりもっと大切な役割をしていると言える。 知的財産を上手く管理し価値を上げていけば、企業にとって、差別化戦略による競争優位の獲得を目指せることだろう。
星の王子さまの著者である、サン=テクジュペリも言う、『かんじんなことは、目にみえないんだよ』と。
