一つ前のブログ記事の続きになりますが、どのようにしてノイズから信号を抽出するという説明になります。

 

x軸で表現される1次元空間で、点1に複数の信号が重ね合わさっている場合を考えます。一つの信号が一つの点に対応するのですが、多数の信号が一つの点に対応するということです。言い換えると、x軸で表現される直線上に複数の点を打つのですが、たくさんの点が互いに重複しているのです。

 

複数の信号ですが、ここでは便宜的に1000の信号ということにしておきます。

 

点1に集約されている1000の信号は互いに分離できません。目標とする一つの信号を基準としたとき、残りの999の信号はノイズになります。

 

次に、1次元空間でなく、xy座標で表現できる二次元空間で考えます。

 

二次元空間では、1000個の信号は、点(1,n)で表現できるとします。ここで、nは1から1000までの自然数とします。

 

要するに、二次元空間では、1000個の信号は1000個の点に対応し、任意の一つの点は残りの999個の点と区別することができます。例えば、点(1,1)は点(1,2)と異なりますし、点(1,3)とも異なります。

 

一次元空間では、1000個の信号に埋もれた1つの信号はノイズに隠れて検出できません。

 

しかし、二次元空間では、1000個の信号が互いに分離することができ、目的とする一つの信号を検出できます。

 

ここでは、二次元空間は、ユークリッド空間で例示いたしました。

 

大学レベルの幾何学では、ユークリッド空間だけでなく、位相空間、距離空間、ノルム空間、ベクトル空間、ヒルベルト空間、ポーランド空間などが登場します。

 

ユークリッド空間でなく、このような空間で似たようなことをすると、ノイズに埋もれた信号を取り出すことができます。数学の専門用語を使うと、内積空間の直交射影が例示になります。

 

別の用語を使うと、暗号解読ということになります。