子供の時のなりたい職業はよく覚えていない。
中学生、高校生のときには、数学が抜群に得意だったので、
理系で大学に進学しようと考えていた。
ところで、大人になってからのことであるが、
ある法律家と対話したときのエピソードを紹介する。
その法律家は高校時代に既に法律の仕事を志望していたので、
大学は法学部を選んだ、とのこと。
高校時代から将来の進路を決め、
その進路を実現するのは、
人生設計として望ましいと実感する。
現在、私は弁理士という知的財産法に関する仕事をしているのだが、
高校時代であっても、大学時代であっても、
弁理士という職業は知らなかったし、
知的財産法というものも知らなかった。
理系の学生であった大学時代を振り返ると、
法学部に所属していた友人もいた。
さすがに大学生にもなると、
法律家の職業、例えば、弁護士、検察官、裁判官などが
存在することは知っているのだが、
法律なるものは全く分かっていなかった。
大学時代、特に法律について勉強したことがないので、
法律について分からなくても当然なのであるが…。
子供の頃から弁理士という職業になりたい、
というようなことを考えると、
その前提は、子供の頃に既に弁理士という職業が
存在することを知っていることになる。
さて、この前提は満たされているだろうか。
現実の世界では、弁理士という職業の知名度は高くない。
自己紹介で弁理士と告げたときに、
相手は、弁護士と間違えたこともあるし、
税理士と間違えたこともある。
どうやら相手が弁理士という職業を知らないときに、
このような齟齬が発生する。
このようなことがあると、弁理士は、
弁護士、税理士と比べて、知名度が高くないと実感する。
ところで、弁理士は全員、日本弁理士会に加入しているのだが、
日本弁理士会は、弁理士の知名度を向上する
キャンペーンをすることがある。
このキャンペーンは弁理士全員のために大事である。