しばらく前のことですが、京都市立芸術大学を設置する公立大学法人が、京都芸術大学を設置する学校法人に対して、京都芸術大学という名称の使用差し止めを求めて、大阪地方裁判所に訴訟を提起いたしました。

 

大阪地裁は、京都市立芸術大学という名称について、著名性は否定する一方、周知性は認定いたしました。しかしながら、大阪地裁は、京都芸術大学という名称の使用差止を認めませんでした。

 

不正競争行為差止請求事件

大阪地裁令1(ワ)7786号

大阪地裁令和2年8月27日判決

 

そこで、原告(京都市立芸術大学)が大阪地裁判決に対して控訴しました(大阪高裁令2(ネ)1912号)。

 

そうすると、令和3年7月20日に和解が成立しました(文献1)。

 

和解では、地裁判決と同様に京都芸術大学という名称が使用できることになりました(文献1,2)。

 

しかし、京都芸術大学は「京都芸大」という略称も「京芸」という略称も使用できないことになりました(文献2)。

 

また、京都芸術大学は、京都市立芸術大学が「京都芸大」という略称を使用することについても「京芸」という略称を使用することについても異議を述べないことになりました(文献2)。

 

文献

1.判例時報、2521号、99-109ページ、2022年8月11日号

2。和解条項、京都芸術大学、

https://www.kyoto-art.ac.jp/news/upload/pdf/%E5%92%8C%E8%A7%A3%E6%9D%A1%E9%A0%85_%E5%88%A5%E7%B4%99.pdf