今日は(株)トランスプライムのセミナーに参加してきました。
(特許英語マスターシリーズIV「構文編-好ましい文章の組み立て」)
今日の講師は日本工業英語協会で添削講座等もされている中山裕木子先生。
文章の組み立てに関するテクニックを一日にぎゅっと詰め込んだ内容の濃いセミナーでした。
中山先生と言えば、「一日に1万ワード訳す特許翻訳者」という噂(?)があったので、どんな方だろうとお会いするのをとても楽しみにしていました。実際にお会いした中山先生は、とても可愛らしい方で、弾丸トークで一日中ハイテンションでお話される姿にすっかりファンになってしまいました(^・^)
日本企業出願の英文特許明細書と海外企業出願の英文特許明細書を見比べでは、両者の書き方の違いは一目瞭然。中山先生が示された大きな違いは以下の2点でした。
(1)各文章レベルでの構文・表現の違い
<海外出願明細書>
・テクニカルライティングの3C(Correct, Clear, Concise)が自然に入っている。
・無生物主語=シンプルなSVOやSVCの構文。
・能動態を基本として、節を含まないシンプルで明快な短文。
<日本出願明細書>
・節(whenやbecause等)から始まる構文が多い。
・受動態の多用。
・一文が長い(冗長・直訳)。
(2)文章同士のつながりの違い。
<海外出願明細書>
・既出の情報を文頭にもってきて、内容を展開。
<日本出願明細書>
・接続語(However, Therefore等)を文頭に使って文と文とを無理につなげている。
この違いを元に、3Cを使うテクニック(無生物主語・SVO・能動態・単文化・肯定形)、さらにはパラレリズム、情報の強弱の持たせ方、文章同士の接続についてのお話がありました。
一番印象的だったのが、中山先生は明細書翻訳の際に接続語をほとんど使わないと話されていたこと。和文明細書中の「したがって、」「しかしながら、」「ところが、」等、どう処理するかというお話がとても勉強になりました。特に、文頭では使わないほうがいいという接続語(ThereforeやAccordingly)は、仕事で不適切な箇所に使ってしまっていたので、今後は気をつけようと思います。
まだ日程等ははっきりと決まっていませんが、5月頃にはミズトラでも中山先生のセミナーが実現しそうなので、今からとても楽しみです(^・^)